残業をすると残業代が出るので、残業をするほど給料は上がります。
(残業代の不払いは労働基準法違反です。残業代が出ていない方は労働基準監督署に通報するか、転職しましょう。)
でも残業時間が増えると、給料と共に疲労度もアップしますよね。
残業による疲労は調剤過誤の原因になりますし、私生活も圧迫します。
調剤薬局は残業ありきの薬剤師配置になっていることも多く、残業の多さに悩んで転職をする薬剤師は少なくありません。
残業が少ない職場に転職すると、年収も下がりそう…。できるだけ年収はキープしたい!
そう考える方に、私が転職エージェントとして薬剤師さんの転職に携わってきた経験から、残業を減らしても年収を下げない転職の方法をお伝えします!
残業の多さに悩んでいるなら、ぜひ一度読んでくださいね。
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残業の少ない会社は、給料も少ない?
結論からお伝えすると、残業が少ない会社は年収も低い傾向です。
循環器科や精神科など重たい処方を除けば、一般的にこの図式が成り立ちます。
処方せん枚数が少ない薬局でも、薬剤師の人数を減らせば残業は発生します。
残業が少ない企業は、『社員のワークライフバランスの確保』『割高報酬による企業の損失防止』を重視しているということ。
最近では年収が少なめの代わりに、労働時間も短い週38時間勤務の求人も出ています。
残業が少なく年収が少ない求人も、私生活重視の人に需要があるということです。
『見込み残業代込み』年収に注意
平均年収が高く、常時残業が発生する企業では、年収の提示額が「見込み残業代込み」となっていることがあるため注意が必要です。
同じ年収550万円を見込める求人でも、残業代込みとそうではない場合では、表記が異なります。
- 年収に残業代を入れない表記
年収500万円+残業代別途支給 - 見込み残業代込みの年収表記
年収550万円(月20時間の見込み残業代込み)
残業代込みの年収を提示する場合、ほとんどの企業はトラブル防止のために、求人票のどこかに『残業代込み』と記載しています。
ただ中にはまれに残業代についての表記漏れもありますので、提示年収が残業代込みかそうでないかは、事前に確認しておきましょう。
転職サイトを利用するなら、転職エージェントに「残業代抜きの年収で比較したい」と伝えておけば、間違いありませんよ。
残業は減らしたいけど、年収が減るのは困るなあ…。
残業を減らしつつ年収もキープしたい方は、以下の内容を参考にしてくださいね!
残業が少ないけど、給料が高い会社とは?その特徴と企業名を紹介
残業が少ない会社は、年収も低い傾向とお伝えしました。
でも家族がいる方や奨学金をガンガン返したい方など、年収が下がるのは困るという方も多いと思います。
「残業は減らしたい、けど年収は減らしたくない」
そんな要望に応えられる会社の特徴と、具体的な企業名をご紹介します。
一部のドラッグストア
以前は残業が多い業界の代表とも言えたドラッグストアですが、最近は企業努力により残業は減少傾向にあります。
監査システムや音声入力システムなどハード面への投資による作業効率化をはじめ、会社全体で残業削減に向けた対策をしてているところが増えているんです。
ドラッグストアはもともと年収が高めの設定なので、「残業少なめで年収高め」を叶えやすいと言えます。
残業が少なめで年収が悪くないドラッグストアの例は、こちらです。
マツモトキヨシ
画像出典:マツモトキヨシ
大手企業の中でも、トップクラスの年収相場です。
以前は長時間残業やサービス残業が問題になりましたが、現在はシステムの充実等により、平均残業時間は7.6時間/月(2017年度)まで減っています。
今でも店舗ごとに残業時間に差はありますが、残業少なめの店舗を希望することで、残業少なめ年収高めは叶いやすい環境です。
配属先の店舗については、転職エージェントに残業時間を確認してもらい、必要であれば交渉してもらうと良いですね。
クリエイトSDホールディングス
画像出典:クリエイトエス・ディー
年収は平均的ですが、住宅に関する福利厚生が手厚いのが特徴です。
社宅を利用すれば家賃・水道・光熱費はゼロ。
家賃補助を利用すれば、月に5万円の補助が出ますので、家賃補助がない企業と比べ年収にして60万円高い計算になります。
管理薬剤師は残業代が出ない企業も多いですが、クリエイトSDは管理薬剤師にも残業代を支給しています。
平均残業時間は5~10時間/月です。
給与交渉が可能な企業
大手企業は基本的に給与テーブルが固定ですが、いくつか給与交渉可能な企業もあります。
残業が少ない会社に給与交渉する事で、「残業少なめで年収高め」の条件を獲得できるという仕組みです。
残業が少なく給与交渉が可能な企業の例は、こちらです。
アイセイ薬局
画像出典:アイセイ薬局
大手企業の中で年収は平均的ですが、スキルや経験面の評価で、入社一時金(20~50万円)や特別手当(月3万円前後)が出ることがあります。
年収面でもスキルや経験に応じて柔軟に交渉してくれることが多い企業ですので、経験が豊富な方は、エージェントに相談の上で交渉してみましょう。
異動が多くヘルプも頻繁なので負担に感じる方もいるようですが、その分残業は少なくプライベート時間は確保しやすい環境です。
平均残業時間は、8時間/月くらいです。
ファーマライズ
画像出典:ファーマライズホールディングス
大手企業の中では、ベース給与がやや高めです。
前職の給与やスキル・経験を考慮してくれるので、年収交渉が可能。
服薬支援ロボなどの機器も全国で400台導入しており、働きやすい環境です。
また、単身者には住宅手当が支給されるので、実質的な年収アップが期待できます。
- 家賃6万円未満の場合:月20,000円支給
- 家賃6万円以上の場合:月25,000円支給
平均残業時間は、17時間/月くらいです。
1人薬剤師の店舗
中規模~大企業の店舗で、1人薬剤師の店舗に勤務する場合、年収設定が高めに提示されることが多いです。
一般的に薬剤師が1人で済む店舗は、処方せん枚数がかなり少なく、残業は発生しにくい環境。
(1人薬剤師が無理な環境で1人薬剤師を強いている薬局もあるため、要確認です!)
事務さんがおらず完全に薬剤師一人で運営する店舗は、高年収が見込めますよ。
残業完全ゼロで年収高めは難しいですが、長時間残業をしなくても、高年収を叶えられる職場はあります。
まずは自分の中で、「どれくらいなら残業できるか」「どれくらいの年収が希望か」考えをまとめてみましょう。
残業が少ない職場に転職しても、年収を下げない工夫とは?
上でご紹介した残業が少なくても年収が高めの企業を選ぶのが、残業を減らして年収をキープする一番の方法。
でも条件に当てはまる企業が、都合よく求人を出しているとは限らないですよね。
自分でできる、残業が少ない職場に転職しても年収を下げない工夫をお伝えします。
夜の遅い時間帯に働く
営業時間が長い薬局・24時間営業の薬局は、常に夜の遅い時間帯に勤務できる薬剤師が不足気味です。
そのため夜間勤務OKの正社員は、年収高めに提示されることが多いですし、給与交渉もしやすいです。
24時間営業の店舗で深夜帯での勤務とまで行かなくても、週に何度か昼の12時~21時ごろまで勤務可能なら、残業なしで年収高め設定が叶う可能性が高いですよ。
単身者など夜型の生活でも困らない方は、夜間勤務も視野に入れると、残業が少なく年収が高い職場を見つけやすくなります。
スキルや資格を身につける
画像出典:公益財団法人 日本薬剤師研修センター
薬剤師がスキルと聞くと、薬や疾患に対する知識や調剤技術・服薬指導技術を想像しますが、実はこれらはあまり年収アップに繋がりません。
残業の少ない店舗で一人薬剤師をするために必要なスキルの方が、年収アップに直結します。
具体的にはレセプトを含む、在庫管理など店舗運営全ての知識です。
また、日本調剤のように指定の専門薬剤師資格を取得すると、特別手当を支給している企業もあるので、どうせなら年収アップに繋がる資格取得を目指して行きたいですね。
福利厚生が自身の状況にあった企業を選ぶ
上でご紹介したクリエイトSDホールディングスやファーマライズのように、福利厚生が手厚い企業はほかにもあります。
ただ福利厚生が自身の状況に合っていないと、その恩恵を十分に受けられません。
例えば「子ども1人につき扶養手当を〇万円支給」という会社に勤めても、子どもがいなければ意味がありません。
逆に子どもが多い方なら、実質年収アップも見込めますね。
特に住宅手当は「単身者のみ〇万円支給」「転居可能なら〇万円支給」など、条件が会社によって異なるので、よく確認が必要です。
残業が少ない企業は、福利厚生が充実している傾向です。
自身の状況にフィットした福利厚生を持つ企業を、転職エージェントに探してもらうのも、残業を減らして年収を維持・アップさせるコツと言えますね。
まとめ
残業時間が増えると共に、増える年収。
つまり残業が少ない職場に転職すると、年収は減るのが一般的です。
ただ職場選びや自身のスキルなどによっては、残業が少なくても年収の高い職場に転職できる可能性は十分にあります。
好条件で転職するためには、「自分のスキルや経験を評価して高い年収を提示してもらうこと」「自身の状況にあった福利厚生を持つ企業を見つけること」が重要。
その2点において良い結果が得られるように、転職エージェントとシッカリ打ち合わせをして、あとはエージェントに頑張って事前対策や事前調査をしてもらいましょう。
残業少なく年収が高い職場は、少ないですが存在しています。
残業を減らしたいけど年収ダウンが気になって転職できなかった方も、ぜひ一度転職を検討してみてくださいね。
今回は残業を減らしても年収を下げない転職の方法についてでしたが、残業にこだわらず薬剤師として年収を上げる方法については「薬剤師はどんな年収アップ転職ができるか転職エージェントが徹底解説!」にまとめています。
年収アップに興味のある薬剤師さんはご覧くださいね。
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年収アップを目指す薬剤師の方にとって、外せない選択肢といえるでしょう。
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カオリ

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