薬剤師の転職体験談

麻薬取締官からドラッグストア薬剤師への転職体験談

  • 2020.11.6

私は「麻薬取締部からドラッグストアに転職」とちょっと変わった経歴の持ち主です。

なぜそのような選択をしたのかをお話します。

転職前の職場について

私が勤務していたのは、厚生労働省の厚生局に属する「麻薬取締部」という行政機関です。 そこで国家公務員として働いていました。

国家公務員の活動範囲は都道府県単位ではなく、北海道から沖縄まで数年単位で全国転勤の可能性があります。

麻薬取締部とは


麻薬取締部の主な業務は、薬物乱用防止活動キャンペーンの実施、病院などでの医療用麻薬の適正使用や正規流通の監視、海外の薬物対策機関との連携などです。

一方で、薬物犯罪の捜査・逮捕・検挙・取調べ・薬物の鑑定など、薬物犯罪専門の捜査機関でもあります。

テレビで「麻薬Gメン:麻薬取締官」として、薬物犯罪者と戦う姿を見た方もいらっしゃるかもしれません。

あまり知られていませんが、警察とは全くの別組織です。

薬物犯罪に対してのみ捜査権や逮捕権、さらには拳銃の所持が許された司法警察員という扱いです。

麻薬取締官の年収について

国家公務員は残業も各省や各局の予算にあわせて支払われるため、時間単価で支払われるわけではありません。

厚生労働省は薬害訴訟など賠償案件が多いため、残業代に当てる予算も限られており、深夜残業や連勤があっても、支払われるのは月4~5万円ほどでした。

年収は1年目でだいたい年収350万円くらい。
4年間務めましたが、最終的には450万円ほどでした。

10年・20年と勤め上げて出世してすれば、年収1000万円以上はもらえるようです。
(当時の上司に給与明細見せてもらったことがあります。)

前職の勤務形態と魅力

勤務形態は一般的なイメージの「公務員」とはかけ離れていて、昼夜問わず捜査したり、日祝に勤務することも多々ありました。

私は最大21連勤、すべて麻薬取締部の仮眠室で宿泊をしたことがあります…。

ただ全国で250人に満たない少数組織(当時)だったため、「自分で考え、行動して結果を出す」という体制でした。
そこに魅力を感じ、厳しくも自由な環境だったため続けることができていたのです。

麻薬取締部から転職理由、転職のきっかけ

出産
前述のとおり、麻薬取締部での勤務は深夜に及ぶことが多く、事務所に泊まることもしばしば。
仮に帰宅できたとしても夜も遅いため、家族は当然寝ています。

そんな中、妻のお腹に2人目の子どもができたことが転職のきっかけとなりました。

「このまま仕事を続けていたら、家族と会う時間がどんどん減ってしまうなぁ。」
「子どもが生まれても、ほとんど寝顔だけしか見られないかもしれない。」

こんなことを思うようになったのです。

ただ、2013年当時は金融危機後の不況が続いてる影響もあり「公務員の立場を捨てて転職するなんてもったいない」「不況にも強いから公務員のままのほうが良い」と友人や親からは猛烈に反対されていました。

なかなか家族には相談できず「職の安定」と「家族との時間」のどちらを取るか悩んでいました。
おそらく2ヶ月以上は悩んでいたと思います。

最終的に妻に相談することにしたのですが、妻から「好きにしたら?」とサラッと言われてしまったため 「え!?ああそう?じゃあ…」と転職することを決心しました。

はじめから妻に相談すれば良かったと思ったのを、今も覚えてます。

転職活動

麻薬取締部からの転職は、今までとは全く違う業界に飛び込んでいくことになります。

そこで下準備が大切と考え、まずは自分の状況の整理や転職エージェントへの登録を行いました。

転職活動で事前にやったこと

転職するにあたって、まずは【自分ができること】と【興味があること】を書き出してみま した。

自分ができること

  • 薬剤師としての業務(ただし調剤未経験)
  • 薬事関係法規
  • 営業・企画 など

興味があること

  • 調剤
  • DI業務
  • 教育
  • 介護 など

今回の転職理由は、家族との時間を持つことです。

そのため業務時間が長く出張もありそうな営業職は除外し、調剤薬局を選ぶことにしました。

またDI業務や教育にも興味があったので、規模がある程度大きく介護事業も展開している企業を選ぼうと考えました。

会社を選ぶにあたって介護を入れたのは、超高齢化社会の日本において今後も需要が伸びることが分かっているためです。

転職エージェントからの提案


事前に自分で調べた内容や転職のきっかけを話し、それを元に転職エージェントから数社提案をしてもらいました。

すると提案には、事前に自分で調べた調剤薬局の他にドラッグストアの求人がありま した。

私の頭のなかに「ドラッグストア≠調剤」というイメージがあったので、ほとんど調べてもいなかったし、選択肢にも入れていませんでした。

しかし話を聞いて調べてみると調剤併設や在宅介護・介護施設訪問などを実施しているドラッグストアも多くあり、提案を受けてみることにしました。

将来的にはDI業務や教育もやってみたいと思っていたので、ドラッグストアは一般的に企業規模が大きいというところもプラスになりました。

面接の際に気をつけたこと

結論から言うと、面接では「自分の目的を見失わないこと」に注意を払いました。

私が転職先に求めるのは、以下の3つです。

転職先に求めたもの

  • 調剤を学べる環境
  • 在宅介護に関わる業務
  • プライベートの確保

これらを満たせる環境か確認するため、会社の概要や実際の勤務形態(残業量や休暇など)について採用担当の方に質問をしました。

加えてDI業務や教育部などのその他部署についてや、キャリアプランについても面接時にしっかりと確認させてもらえました。

実際の店舗も見学させてもらえましたし資料を交えながら回答していただいたので、安心して転職を決めることができました。

新しい職場で働いた感想

ドラッグストア
現在勤務している会社はドラッグストアであり、在宅介護・施設介護にも早い時期から力を入れていた先見の明がある会社です。

現場主義の会社のため、考えたことや実践したことをフィードバックすれば採用されやすいことから、風通しが良いと感じました。

仕事でのやりがい

現在の店舗では在宅介護・施設介護において、医師・看護師・ケアマネジャー・薬剤師が連携し、意見を出しあって進めています。

薬剤師としての薬剤提案だけでなく、ドラッグストアとしての物資(介護おむつや栄養食など)についても提案できるところが、今の仕事でのやりがいだと感じています。

転職後の年収について


転職後は残業代もしっかり出ましたので、中途採用1年目で年収500万円ほど。
勤務時間は大きく減りつつも、年収は前職から約50万円アップです。

6年経った現在は複数店舗の管理職も兼任しているため、750万円ほどとなりました。

無理なく働けて十分な年収がもらえており、転職に満足しています。

転職を振り返って

転職を決意するまでは、上手く行くのか未経験でもついていけるのかなど、不安がたくさんありました。

しかし麻薬取締部の時と同じように「自分で考え、行動して結果を出す」が実践できる、良い会社に転職できたと満足しています。

教育体制が整っている大手企業に転職したことで、未経験でも問題なく働くことができました。

以前と比較すると休日や帰宅後に家族と過ごせる時間も増え、仕事でも生活面でも充実しています。

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アバター
大学卒業後、厚生労働省で勤務。その後調剤薬局に転職し、現在は複数店舗の管理や従業員教育や資料作成なども兼任。 私生活では株式投資やアウトドア・旅行など様々なことに取り組んでいます。 詳しいプロフはこちら
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