多くの転職希望者の方は、1つの転職サイトだけでなく、いくつかの転職サイトに複数登録されていると思います。
その理由の多くは、より多くの求人を紹介してもらい、比較したいという点ではないでしょうか。
そこで今回は、転職サイトに複数登録することのメリットと、それによって生じるデメリットについてご紹介させていただきます。
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転職サイトに複数登録することのメリット
求人を出す転職サイトを限定している企業がある
多くの企業では、広く人材を募集したいため、多くの転職サイトに求人を掲載しています。
しかし、企業の中にはそうでない企業があります。企業において転職サイトのランキング付けをしているのです。
ランキングの元となる評価項目は様々ありますが、1例を挙げますと、過去の紹介人数、内定者数、実際の入社人数、1年後の離職者数などがあります。
それぞれにポイントをつけて、総合的にランキング付けをしています。
求人の内容に応じて、例えばランキング5位までの転職サイトにだけ求人を出すということがなされています。
この傾向は製薬企業で特に強く、ドイツに本社をおくB社、アメリカに本社をおくI社がその代表的な例となります。
良いエージェントに出会うことができる可能性が高まる
転職サイトには、それぞれカラーがあります。
得意分野という意味でもカラーがありますが、ここでいうカラーとは、会社のカラーです。
転職エージェントといえども会社員ですので、会社で研修をうけ、会社の方針に従う必要があります。
そのため、もしご自身の担当となったエージェントがあまり良くない場合、担当者交代を申し出ても、同じようなカラーの人が担当となります。
複数の転職サイトに登録することで、より短い時間で別のカラーを持った、ご自身と相性の良いエージェントに出会う可能性が高まります。
転職サイトに複数登録することのデメリット
応募した企業を自身で管理する必要がある
1つの転職サイトにだけ登録していると、過去に応募した企業については、転職サイト側で管理されており、二重に応募してしまうことはありません。
しかし、複数の転職サイトに登録している場合、当然のことですが転職サイト間で情報共有はなされません。
同じ求人であっても一見違う求人のように見えてしまうこともありますので、良く内容を見ないと二重に応募してしまうことになりかねません。
書類選考の書類を準備するだけでも、大きな労力を要します。
同じ求人に複数の転職サイトから応募することはできませんので、どちらかが無駄になります。つまり無駄な労力となります。
複数の転職サイトに登録している場合、そのような無駄な労力を避けるため、自分自身で応募先の管理をしなければなりません。
そんなことは簡単だと考えられる方もおられるかもしれません。しかし求職者は他にもしなければいけないことがあるため、この作業は後回しにされがちで、非常に手間がかかるものです。
メールや電話などの連絡が、非常に多くなり、わずらわしい
1つの転職サイトに登録しただけでも、1週間に1回は求人案内のメールが送信されます。
例えば3つの転職サイトに登録していれば、単純に週に3回の案内メールがあります。
さらに電話で状況確認や、メールで案内した求人の検討結果の確認、場合によっては面談も設定されます。
転職サイトに登録した初期であれば、そういうものかなと思っていくらか我慢もできるのですが、ある程度期間が経過しても、それは続きます。
レスポンスをしないと、追い討ちのように連絡がきます。
転職サイト側としては営業を考えないといけないので仕方のないことですが、これが非常にわずらわしく嫌になることも多々あります。
実際に複数の転職サイトを利用した経験者の意見
複数の転職サイトを利用することのメリット・デメリットがわかったところで、実際の転職経験者は複数の転職サイトを利用してどう感じたのでしょう?
利用者の声を聴いてみたいと思います。
サイトや紹介会社の規模に関わらず、エージェントの力量によって紹介先の薬局の経営者などの人となりまで把握している人とそうでない人がいるんだなぁという印象を持ちました。
中略…
エージェントの力量は会社規模には関係無いと思います。
こればっかりはあたりハズレもあると思いますね。
確かにランダム性を排除するのであれば複数の転職サイトを利用するか、もしくはエージェントの担当替えなどができるのであれば信頼できるエージェントに当たるまで替えてもらう等の対策が必要かもしれません。
該当体験談
薬キャリは20社の求人をメールで紹介してくれました。
そのうちこちらの条件に近かったA社から内定をもらいましたが、数週間すると先方から内定のキャンセルが入りました。
A社は通勤時間が片道1時間と希望よりも遠かったのを除けば魅力的でしたので落ち込みました。
先に気が付けばよかったのですが、転職サイトは2社以上登録する方がエージェントの違いも比較でき、リスク管理上も安全だったのかもしれません。
該当体験談
このように、エージェントの力量は会社規模には関係無く、あたりハズレもあるようです。
エージェントの力量はランダムで個人の能力に依存する部分が大きく、そのランダム性を排除してリスクを分散させるためにも、複数サイトを利用することは有効といえるのかもそれません。
また、サイトの違いを比較するといった観点からはどうでしょう。
同じ条件を提示した場合、エージェントからはどのような求人が提案がされるのでしょう?
同じような求人が提示されてくるのでしょうか?
1つの転職エージェントだと求人の偏りが出るのを懸念して、2つ登録しようと最初から考えていました。
中略…
同じ条件を提示して2つのサイトを利用しましたが、全く違う求人を紹介されて興味深かったです。
中略…
「ファルマスタッフ」はニーズに沿った求人を、「マイナビ薬剤師」はニーズに沿ったもの及びキャリアを活かせるものを紹介して下さり、進路に迷いながらも私が今何を重要視すべきか考える機会を与えてもらうことができました。
該当体験談
このように利用する転職サイトやエージェントによって、求人の提案の仕方は千差万別のようです。
幅広く提案を受けるためには、複数の転職サイトを利用することが賢明かもしれませんね。
成約しなかった転職サイトへの断り方
「複数の転職サイトに登録したら、断るのが面倒では…」
このように断る手間を考えて複数の転職サイトに登録するのを躊躇う人も多いでしょう。
では、実際にはどうやって転職サイトに断りをいれるのでしょう。
エージェントに断る場合は、電話で「今回はこちらのサイトの就職先に決めることにしました」と伝えました。
その理由については聞かれましたが、しつこくされることなく、淡々と説明して終わるといった感じでした。
エージェントも断られることには慣れているようです。
縁なく断ることになったとしても、こちらからはそれほど気に掛ける必要はなさそうですね。
まとめ
薬剤師が複数の転職サイトに登録すると手間は増えますが、転職を成功させるためには、欠かせないことかもしれませんね。
複数に転職サイトに登録することのデメリットを我慢できるのならば、大いにメリットのあることでしょう。
ぜひご検討ください。
転職サイトに複数登録するとしても、どの転職サイトに登録するのがいいか知りたい方もみえるかと思います。
転職サイトをあらゆる視点から比較した結果のランキングは「【プロが選ぶ】薬剤師転職サイトランキング2020|エージェントが業界内の評判を元に徹底比較!」こちらにまとめてありますので、併せて参考にしてみてくださいね。
転職エージェントオススメの転職サイト
マイナビ薬剤師
「求職者のニーズにベストマッチする求人を見つけること」を重視しているため、転職者の満足度が高い転職サイトです。
親会社が大手人材関連企業なので、大手企業との繋がりが太く掲載求人数も多いですが、20~40店舗の中堅チェーンや個人薬局にもシッカリ営業しているので、幅広いジャンルの求人があります。
求職者からヒアリングした希望と、企業から収集した情報の2つを活かし、求職者・求人先の希望をしっかりマッチさせることから、実際に求職者に人気がある転職サイトですよ。
ファルマスタッフ
高年収・キャリアアップを叶えやすい上に、紹介先にも詳しく頼れる転職サイトです。
厳選された求人ばかりのため転職後に不満が出にくく、マッチング後の離職率は業界内で低い方です。
ファルマスタッフは業界トップクラスの調剤薬局の子会社なので、調剤薬局の業務や実情に詳しく、面接にも必ず同行してくれます。
ファルマスタッフのエージェントは、年収や勤務条件の交渉を、かなり粘り強く頑張ってくれます。
他社で紹介されて希望が叶わなかった求人が、ファルマスタッフに交渉してもらって希望が合うようになったという実例もありますよ。
オススメ3 薬キャリ
エムスリーが運営する薬剤師転職支援サービスです。
求職者・求人先どちらともメール・電話でのやり取りが中心となり、効率を追求しているため求人数が業界一です。
面談に時間をかけないので相談しながら転職したい方には不向きですが、転職に手軽さを求める方には向いています。
実際に転職目的が明確で、行動力のある薬剤師には「スピーディーに転職ができる」と評判ですよ。

ヤス

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