薬剤師に限らず、転職をする人の多くは在職中に転職活動を行うことがほとんどでしょう。
収入のないブランク期間を設けずに転職することができるからですね。
しかし、薬剤師の場合は在職中に転職活動を行うからこそのデメリットも存在します。
そこで今回は、薬剤師が在職中に転職活動を行うことのメリットとデメリットについて、ご説明させていただきます。
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薬剤師が在職中に転職活動をするメリット
在職中に転職活動を行うことには、様々なメリットがあります。
- 職歴を空けずに就業できる(空白期間を作らない)
- 収入が途絶えないので、生活が安定する
- 社宅や家賃補助がある場合、住む場所を確保できる
- 期限を決めずに転職活動ができるので、良い求人を待つことができる
在職中に転職活動をすることで、速やかに次の仕事に就くことが可能となります。
経済面においては、かなりメリットのある方法と言えるでしょう。
また、良い求人と巡り合うことは、タイミングや運に左右されます。
どうしてもすぐに転職をしたいわけではなく、長いスパンで転職活動をしていけるのであれば、在職中に転職活動をする方が良いと考えられます。
薬剤師が在職中に転職活動をするデメリット
一方で、在職中に転職活動を行うデメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。
- 仕事の片手間になってしまうので、腰を据えた転職活動が出来ない
- 繁忙期などでは対応が遅れ、良い求人を逃してしまう
- 転職先に「退職せずに内定辞退されるかも」と考えられ、競合した際に内定がもらえないケースがある
- 準備期間や休養期間が確保できない
在職中に転職活動をするデメリットとしては、仕事の片手間の転職活動となってしまうので、退職済みの方に比べると後手にまわってしまう可能性があるのです。
良い求人が出たとしても即座に対応できず、退職済みの方が優先されてしまうということもあるのです。
また、退職済みの方では「明日からでも出勤できます!」という方もいらっしゃるでしょう。
前任者が急遽退職をしたなど、今すぐにでも人手が欲しい薬局では、採用してもらうことは難しくなるのです。
このような人は在職中の転職活動がオススメ
社宅に入っている方・一人暮らしの方
現在会社の社宅などに入っている方では、退職をしてしまうと社宅から出ていかなくてはなりません。
自分で家を借りるためには、敷金や礼金、仲介料や引っ越し代などかなりの出費が必要となります。
新しい職場に社宅があった場合には、この出費は無駄になってしまいます。
在職中に転職活動を行うことで時期を調節して、新しい職場の社宅に入ることで負担を減らせます。
また、社宅以外で一人暮らしをしている方でも、家賃を持ち出しで支払っていくことが必要となります。
転職先がなかなか決まらず、焦って条件の悪い求人を受けてしまう恐れもあります。
実家暮らしや自己所有の物件に住んでいる方でなければ、在職中に転職活動を行うのがオススメです。
若手の方・大手を志望している方
一部の企業では、職歴に空白期間があるとマイナスポイントになってしまう場合があります。
過去にしっかりとした職歴を築いている方など、ある程度の年齢の方であれば問題となりません。
しかし、若手のうちから空白期間が多いと、あまり良い印象は持たれません。
特に大手企業であればそのような傾向が強いので、これから大手を志望する場合においても、在職中に転職活動を行う方が良いでしょう。
ただし、育児や介護など、きちんとした理由があれば問題とはなりません。
薬剤師の職場によくある退職の引き留め
薬剤師の職場では、退職を切り出すと年収アップを提示されて残留、ということも珍しくありません。
このようなケースは、求人側の薬局もエージェントもよくご存じなので、気にするポイントとなります。
人手を欲している薬局としては、急に「やっぱり転職するのをやめます」と言われることが一番困るのです。
そのような事態にならないかどうかを面接時では入念に確認されます。
そういったリスクを負わないためにも、退職済みの方を優先するということもあるのです。
引き留めにあっても退職できると安心してもらうためには
この人は本当にウチに来てくれるのだろうか、引き留めにあい、転職を断念したりしないだろうかと思われないためには、どのように伝えるのが効果的なのでしょうか。
- 現職で収入アップを提示されることは考えにくい
- 収入アップを提示されても、それに応じることはあり得ない
この2つの理由を納得してもらえることが大切です。
しっかりと筋道立てて、なぜ辞めるのか・辞めることができるのかということも説明できると良いでしょう。
- 現在の職場だと、在宅の勉強が全くできないので、年収や条件が変わったとしても退職の意向は変わりません。
- 慢性的に人手不足であり、今後も改善の兆しが無いので、今回の退職の意思は固いです。
- 大手チェーン店なので、周りの社員との兼ね合いもあり、年収アップでの残留要請は考えにくいです。
- 採用時に既に好条件にて採用してもらっているので、これ以上の高額オファーは考えにくいです。
- 希望する異動が叶わない場合は転職したいと以前から告げてありました。
- 退職理由が給料ではないため、年収アップを提示されても残留する意味がありません。
など、多少条件が好転したとしても、転職する意思に変わりはないということが相手に伝われば、問題は無いでしょう。
求人側の薬局に安心してもらうことが大切です。
薬剤師が在職中に転職活動するときに気を付けること
現在在職している薬局には、転職活動を行っていることは伝えないようにしましょう。
転職活動の成否によらず、信頼を欠いてしまうこととなります。
結果的に転職をしなかったとしても、これまで通りの関係性を保つことは難しくなるでしょう。
これまで使うことが出来ていた有給が使えなくなる、といったケースも実際にあったそうです。
法律上、雇用主は拒否できませんが、周りのスタッフが代わりに出勤してくれなくなり、人員不足で迷惑がかかるため休めなくなるというケースもあるのです。
また、転職エージェントなどを利用する場合には、レスポンスの早さが重要となります。
退職済みの方ではすぐに連絡をすることが出来ますが、在職中であればそうもいきません。
遅くとも、その日の終業後には連絡をするようにしましょう。
まとめ
薬剤師以外の一般的な職種や企業であれば、転職活動は非常に長い戦いとなります。
腰を据えて活動をするために、退職後に活動した方が良い場合もありますが、薬剤師の転職においては仕事と両立をさせることも難しくはありません。
2つのことを同時にこなすことが得意であれば、在職中に転職活動をする方がメリットは大きいでしょう。
しかしながら、育児などでプライベートに余裕がない方や、同時進行をすることが苦手な方では、一度退職をしてからの転職活動の方が良い場合もあるのです。
自身の状況や得意不得意を考えたうえで、転職活動をするようにしましょう。

ヤス

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