ママ薬剤師が育児しながら働く職場、今回はドラッグストアに注目してみました。
ドラッグストアは全国展開しているチェーン店が多いため、店舗異動や転勤があり、年中無休で22時過ぎまで営業している店舗も多いです。
一見、ママ薬剤師が働きにくい職場に見えますが、勤務形態によってはママ薬剤師が働きやすい職場ともなり得るのです。
そこで今回は、複数のママ薬剤師へのインタビューを元に、ママ薬剤師にとってのドラッグストアについてまとめてみました。
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ドラッグストアで働くママ薬剤師の雇用形態別事例
ドラッグストアにおいて、ママ薬剤師はどのように働いているのでしょうか。
ここでは、正社員、契約社員、パート。この3つ雇用形態で働くママ薬剤師の例を見てみたいと思います。
正社員Iさんの職場の場合
職場と雇用形態
全国展開している業界最大手に正社員で勤務。
都内の24時間営業している店舗。
面接時に引っ越しを伴う転勤が可能かどうかの希望をとられているので、不可での働き方を選択可能。
他店舗への応援はたまにある程度。
勤務時間と時短勤務
- 早番:8時~17時
- 遅番:13時~22時
時短は子供が中学生まで最大2時間利用できる。
早番のシフトで9時~17時又は、9時~16時の勤務で働いているママ薬剤師が多い。
時短勤務のメリット
- 応援や転勤はならないように配慮されている。
- 時短の人は早番のみで、遅番に入ることはない。
- 日祝日は必ず休み。土曜は出勤のことが多い。
ゴールデンウィークのように祝日がずっと続くような時は、何日か出勤してもらうこともある。 - 残業はない。
出勤する薬剤師が時短の人だけにならないようにシフトを作る段階で調整する。
シフトは基本的には薬剤師みんなで話し合って休みを決める。
子供が小学生になっても働けるか
小学生の子供を持ちながら正社員として働いている人は何人かいる。
夫婦で協力して面倒を見る見ていることが多く、問題なく働いているようにみえる。
ママ薬剤師むけの職場の配慮
子供が体調不良で急に仕事に来れないという事態がどうしてもあるので、そういう時に対応できるように社員の人数が多い店舗に配属されることが多い。
人数が多ければ、ママ薬剤師が急に来れなくなっても、他の社員が代わりに出勤することができる。
契約社員Mさんの場合
職場と雇用形態
全国展開している大手ドラッグストアチェーン。
他店舗への応援のない職場で、転勤のない契約社員として勤務。
日、祝が休みの働き方を選択。
契約社員での働き方
正社員よりも契約社員の方が、給与が高いことが多い。契約社員の場合は、前職の給与が反映されることがあるので。
昇給、有給も正社員と同等に利用できる。
このように契約社員の方が雇用条件の融通が効いたりとメリットが多いので、女性は契約社員が多い。
勤務時間と時短勤務
契約社員であっても時短は利用できる。
時短勤務は子供が中学生まで最大3時間まで。
現在は子供が2歳でかつ、保育園と職場が近いので、時短を使わずフルタイムで働いている。
延長保育もたまに利用する程度。
子供が小学生になっても働けるか
将来子供が小学生になったら、学校の児童クラブなどを利用しつつ、時短もしつつでやっていく予定。
ママ薬剤師むけの職場の配慮
子供が急な熱で休む時とかもすぐに有給が入れられたり、出勤日と休日の入れ替えなどもできる。
看病休暇という無給での休みも可能なので、休みが続いてもなんとかなる。
パートHさんの場合
職場と雇用形態
関東周辺〜関西周辺までを中心に展開しているドラッグストアチェーン。
時短勤務の制度はない職場でパートとして勤務。
正社員の場合は、他店舗への応援の頻度が多くかつ、移動に1時間以上もかかる店舗への応援もざらにある。
パートとしての働き方
パートとして働くことで他店舗への応援もなくなり、正社員では融通の利きにくい自身の希望する店舗での勤務も可能に。
子育て中の人はみなパートで働いている。
正社員は年俸制でボーナスのない会社のため、時給換算すると、パートも正社員もほぼ同じ給料。
パートは夏期休暇など福利厚生が多少違う。
子供が小学生になっても働けるか
パートならば可能。
正社員だと子どもが休みの土曜、祝日なども仕事があったり、夜も21時くらいなど遅くなる事もあるので、正社員としては難しい。
ドラッグストアでのママ薬剤師に対するフォロー体制
ママ薬剤師が育児しながらドラッグストアで働く場合に気になるポイントとしては次の4つが挙げられます。
- ヘルプ体制
- 勤務時間
- 店舗異動、他店舗への応援
- 日祝は休めるか
これら4つのポイントに対し、ドラッグストアではどのようにフォローしてもらえるでしょうか。
順に見ていきたいと思います。
ドラッグストアでのママ薬剤師に対するヘルプ体制
「子供の急な体調不良で休まなければいけなくなったときに、どうフォローしてもらえるか。」
子どもをもつママ薬剤師にとって、とても大切な問題ですね。
これは正社員として働く場合だけでなく、派遣、パート、契約社員として働く場合であっても同様の悩みです。
ドラッグストアでは、他の薬剤師の職場にはない2つのメリットがあります。
1.人数の多い店舗が多い
全国展開している大手チェーンでは、薬剤師数が多い店舗にママ薬剤師を配属することで、突発休でも代わりにフォローできる体制を確保しています。
これは大手ならではの安心感といえるでしょう。
有給を取得しやすいですし、看病休暇も取得できます。
ギリギリの人数でまわしている調剤薬局ではなかなかこうもいかず、有給はとるべきではないと、暗黙の了解になっている職場もあります。
2.登録販売者がOTC販売のフォローをしてくれる
ドラッグストアの正社員は登録販売者の資格をとることが義務付けられています。
第一類医薬品の販売はできませんが、第二類、三類の販売は行えるため、OTC販売の代役としてフォローしてもらえます。
ドラッグストアでの店舗異動と他店舗への応援頻度
大手ドラッグストアでは店舗数も多いので、正社員であれば1〜2年以内には異動があることが多いです。
他店舗で急な欠員が出た場合などは、異動後3ヶ月以内での異動もあり得ます。
他店舗への応援も多いです。
ママ薬剤師が正社員として働くには非現実的ですね。時短社員として働くことで店舗異動と他店舗への応援を抑えてもらうしかありません。
店舗にいる社員だけでは運営が厳しい時は、他の店舗に応援を頼むことがあります。
ドラッグストアでの勤務時間
ドラッグストアでは早番、遅番の2つのシフトがありますが、パートさんや時短社員の方は午前中や夕方までの勤務の方が多いです。
そのため、正社員が遅番のシフトになりがちです。
正社員として働く場合は、時短勤務を使用することで、早番のシフトにしてもらうことができます。
時短社員が遅番になることはありません。
ママ薬剤師が正社員で働きたいと思う場合、時短勤務の利用が必須になってきます。
ドラッグストアでは日祝を休めるか
時短社員の場合は日祝日は必ず休みにすることができです。
ただし土曜は出勤のことが多いです。
まとめ
営業時間が長く、土日も営業しているドラッグストアですが、時短勤務などの制度を利用することで、ママ薬剤師が働きやすい職場に変貌するのです。
大手チェーンが多いドラッグストアでは、人数の多い職場に配属してもらうことでお子さんの突然の休みでもフォローしてもらうことができます。
ママ薬剤師として安心できるメリットですね。
そして、パートであっても正社員とほぼ変わらぬ給料で働くことができる職場もあります。
必ずしも正社員にこだわることなく、ママ薬剤師として働ける職場を探すことが大事といえるでしょう。
参考記事 ママ薬剤師の転職|小1の壁を超えられる転職先の探し方
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