土日休みで閉局時間が早いため、人気求人である大型の総合病院の門前薬局。
閉局時間は早いけれかもしれませんが、日中の忙しさは“壮絶”だといいます。
どう“壮絶”なのでしょうか?
複数の総合病院の門前薬局での勤務経験のあるHさんにお話しを伺ってみました。
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総合病院の門前薬局の忙しさ
処方箋枚数
総合病院薬局の門前薬局の処方箋枚数はだいたいどこも100枚は軽く超えてきます。
薬局の中には数百枚受け付ける所もあります。かなりの忙しさですね。
大きな病院は処方箋の受付からお渡しまで時間がかかることが多いです。
2、3ヶ月分の薬をまとめて出す傾向があるからです。
患者さんは病院で長く待たされ、さらに薬局でも待たされるためイライラしていることが多いです。
処方内容も複雑で、一人一人の患者さんに対してかなり時間がかかります。中には1人の調剤の仕上がりが1時間ほどかかるものもあります。
一日の中で忙しい時間帯
一番のピークは、午前中〜昼過ぎでしょうか。
午後からの予約診療が開始されると、また忙しくなります。
忙しい時間を避けるため、処方箋を預けて夕方に戻ってくる方もいたりします。そのため、ピーク時間以外もそれなりに忙しいです。
中には閉店間際に、調剤に時間のかかる処方箋を持って来られる方もいらっしゃいますね。
特に、透析や糖尿病の検査、輸血など診察以外にも時間のかかる、重症で処方内容も重たい患者様ほど夕方からいらっしゃる傾向があります。
暇なときには何をするか
総合病院の門前薬局ではほぼ毎日忙しいですが、なぜか患者さんの少ない日もあったりもします。
そのような日には、患者対応以外に溜まった業務をこなす機会になります。
総合病院の門前薬局の開局時間
薬局は、病院の門前にあってもその病院の専属ではないので、その近所のクリニックの処方箋も受けたり、近遠方の処方箋も受けます。
総合病院の門前でも18時以降でも開局している薬局はあります。総合病院の門前だからといってどこも閉局時間が短いわけではないのです。
隣どうしの薬局でも、開局時間が違うのことはよくあることです。
調剤以外の業務
外来患者さんの対応が終わって閉局となったのちも、在庫確認や、薬歴など沢山業務が残ります。
薬歴記入は早ければ30分くらいで終わるかも知れませんが、1時間以上かかることもあります。
中には昼休みに休み時間返上で薬歴を書く社員さんもいます。
その後、機器類の掃除、薬局の掃除、在庫管理や予製作りなどを行います。
予製などは数日かけて作ったりするので、次の来局に間に合うまでには作りますが、キリの良いところで終えて帰る事が多いです。
忙しさ以外のデメリット
忙しさ以外のデメリットとしては、働く人自身にもそれなりのスキルを求められる事ではないでしょうか。
また、勉強会に参加したくない方にとってもデメリットかも知れません。
勉強会への参加は任意ではありますが、半強制なようなものでしょう。
勉強会に行かないと言う社員さんはいなかったので、自然と全員が行くような流れです。
医師との関係
総合病院のドクターは雲の上のような存在です。
電話で処方内容を問い合わせても、直接ドクターとやり取りできる事は稀です。
直接のやり取りを方針とする病院であれば別ですが、薬剤部や該当科の受付、看護師さんなどを通じてやり取りを行います。
または、電話対応不可で、FAXのみのやり取りの所も多いです。
逆に言うと、クリニックほど、医師に対して気を遣わなくてよいとも言えます。
ママ薬剤師でも働けるか
時短勤務を活用すればママ薬剤師でも働くことは可能でしょう。
18時定時であれば、2時間時短をして16時あがりになりますから。
ママ薬剤師には、薬歴の状況をみて投薬を交代したり、薬歴が溜まってきたら朝からこもって書いてもらう。
このように、正社員がうまくローテーションを組んで役割分担を行っていれば、ママ薬剤師でも問題なく働けます。
有給は取れるか
有休がとれるかどうかは店舗の状況によってきます。
まわりの人が全く有給を使っていないような店舗では、有休は取り辛いです。
有休をとるにしても、病気や家庭の都合でどうしてもと言う場合のみで、旅行などの目的で有給を取る人は、総合病院の門前の店舗ではめったにいません。
総合病院の門前薬局の多くは月〜金の固定勤務で、シフト制ではないと言うのも理由かも知れません。
逆に、月曜〜土曜まで営業している店舗だと、どこか1日休みを取る必要があり、毎月シフトを組むため希望休も伝えやすかったりします。
総合病院の門前薬局オススメな人
- 総合科目に対応できる
- 一包化、粉砕などどんな調剤にも対応できる
- 手際よくできる
- 他の社員と連携がきちんと取れる人
このような人にはオススメです。忙しい仕事に対応出来ない人は、やめておいた方が良いでしょう。
病院や製薬会社との勉強会の機会が多いので、勉強好きな方にはオススメです。
営業時間は18時までかも知れませんが、残業がない、早く帰れる、と言うのは約束出来ません。
外来対応が多いぶん、患者さん対応が落ち着いてからでしか、他の業務に手を付けられないからです。
まとめ
閉局時間が早く、土日が休みな代償としての忙しさ。
この忙しさに耐えることができれるならば、様々な処方箋を取扱うことができ、多くのスキルを身に着けることができるでしょう。
メリハリをつけて働きたい人は検討してみてはいかがでしょうか。

ヤス

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