結婚や妊娠・出産に合わせて、仕事を離れる女性薬剤師は多いですよね。
でも子供が幼稚園や小学校に入り時間に余裕ができると「少し働こうかな」なんて考える方も増えてきます。
そこで問題となるのが、仕事先の探し方や選び方です。
母親業と両立しやすくブランクがあっても働きやすいママ薬剤師向けのパート求人の探し方を、夫の転勤に合わせあちこちでパートをしてきた私自身の体験からお伝えします!
「そろそろ仕事に復帰したいな」「家庭と両立しやすい仕事はないかな」と考えているママ薬剤師の方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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薬剤師のパート求人の特徴
まずは薬剤師向けパート求人の特徴をお伝えします。
どんな職場があってどんな働き方ができるのか、イメージしてみてくださいね。
よくあるパート薬剤師の勤務時間
単純に薬剤師が足りず、1日中働けるパートさんを募集している薬局も多いです。
「忙しい時間だけパートさんに来て欲しい」という薬局だと、こんな時間帯での募集となります。
- 9:00~13:00
- 10:00~14:00
「今いるパートさんが出れない時間や曜日だけ来て欲しい」というケースも多いですね。
多くのパートさんが上記時間帯(午前中からお昼過ぎまで)を希望するので、穴埋め要因での募集は13時や14時から閉局くらいまでです。
午前中だけ働きたいと考えるママ薬剤師は多いです。しかし、同じことを考える方が多いため、午前のみの求人はあまり出会えません。
募集の多い曜日は?
パート薬剤師の求人に、曜日の偏りはそれほどありません。
パートさんが出られない日は、正社員のシフトで調節するため、勤務する曜日はパートさんに合わせてくれる職場が多いです。
強いて言えば病院の混みやすい月曜日は人員を多く配置するので、曜日を指定してパート求人を募集する薬局も。
土曜日は出勤できる方が喜ばれますが、土日祝日完全休みでのパート求人の募集も珍しいわけではないですよ。
パートの求人はたくさんある?
薬剤師は充足気味…なんて話も出ましたが、まだまだ求人はたくさん出ています。
確かに都市部では充足しつつあるので完全に希望通りの求人に出会えるとは限りませんが、仕事が見つからないなんてことはありません。
逆に薬剤師が不足気味の地域では、働き方にこだわらず少しでも働いて欲しいという薬局が多いため、正社員とパートの両方を募集していることも。
正社員の募集の方が多いですが、パート薬剤師の求人も十分にあります。
大手薬局・中小薬局の違いは?
店舗数が多い大手薬局だと、常にパートを募集している上に、ある程度時間や日数などを働く人の都合に合わせてくれます。
パートさんの穴を正社員で埋められますし、人員が多い店舗は異動してもらうこともできるからですね。
逆に中小薬局だと、募集通りの時間帯・日数でなければ調整は難しいことが大半。
その代わり大手薬局よりも時給が良いことも多いです。規模にこだわらず、募集内容が自分の都合に合えば検討したいですね。
都市部では薬剤師が充足しつつあるものの、パート薬剤師の需要はまだたくさんあります。
週2回など少ない回数から働ける求人もあるので、まずはお住いの地域でどんな求人が出ているのか一通り目を通してみましょう。
どんな人がパートで働くか
調剤薬局で働くパートさんって、どんな人がいるイメージですか?
まず一番多いのは、子育て世代のママ薬剤師ですね。
半数以上が30~40代の女性です。
ただ薬局のパートさんは主婦ばかりというわけでもないですよ。
- 子供が大学生などかなり大きくなってから復帰した人
- MRなど医療現場以外から転職した人
- 定年退職後にパートとして働き始めた人
こんな人たちも、パートとして働いています。
パートは正社員と違い基本的に異動がないので、自信のある診療科の門前薬局を選ぶことも可能。
ブランクがあったり、調剤未経験のママさんでも働きやすいですね。
上記の方などは、大学病院の門前薬局など忙しい店舗は難しくても、皮膚科や眼科の門前など比較的ゆったり働ける薬局ならスピードに自信がなくても大丈夫。
自分の実力や状況に合わせて職場を選べるのは、パート薬剤師を選ぶ大きなメリットです。
ママ薬剤師が働きやすい、オススメのパート求人
前述のように、薬剤師のパート求人はたくさんあります。
つまり、その分だけ様々な求人内容・条件があり、その中から働きやすい職場を選ぶ必要があるということ。
ママ薬剤師が働きやすい求人・オススメ求人の特徴をお伝えします。
なるべくこれらの条件に当てはまる求人を探すと無理なく働けますよ。
単科か経験のある診療科目の門前薬局
どんなにやる気に満ち溢れていても、家のことをしながら勉強をするのは大変。
診療報酬や調剤システムなど、新しい環境で働くというだけで覚えることがたくさんあるため、扱う処方せんの診療科は単科か慣れたものが良いです。
覚えることが多すぎると仕事自体をツラく感じ、ストレスが溜まってしまいます。
1人休んでも問題ない人員配置
特に子供がまだ小さいお母さんは、ここを重視して職場を探してください。
小さい子どもって、ビックリするほど風邪を引きますよね。
親が気を付けているとか気を付けてないとか、関係ないです。
そのため申し訳ないことですが、急に仕事をお休みしたり早退したりしなくてはならない場面が普通の人よりも多くなってしまいます。
そんなときにいつもギリギリの人数で営業している薬局だと、休みにくいですよね…。
ある程度人員に余裕があり、「1人いなくても頑張ればなんとかなる」くらいの人員配置をしている薬局を選びましょう。
人員配置に余裕があれば子供の授業参観などでシフトを調節したいときも、柔軟に対応してもらえます。
周囲にチェーン店がある
上記と同じ理由ですが、大手薬局など近くにチェーン店があると急な欠員があった場合に応援要員を出してもらえます。
1つの店舗に複数ママ薬剤師が働いていることは珍しくないので、風邪の時期などは急な休みが重なってしまうんですよね…。
子供の体調不良は仕方ないことですが、応援をもらえない環境で周囲の人に負担がかかると休みにくい空気になってしまいます。
中小薬局で応援が出せず、店舗の人員も少ないような薬局は、「子供の体調不良で急に休むことになっても大丈夫か」よく確認しておいた方が良いですよ。
無理なく通える場所
仕事と家庭の両立を考えた場合、無理なく通えるのは遠くても片道30分くらいまでと考えた方が良いです。
普段は幼稚園バスが来ている方でも、急な体調不良でお迎えに行くことを想定し、幼稚園や小学校と職場が、自宅を挟んで反対側にならないのが理想。
お金のために働くので時給も大事ですが、あまりに遠いようなら少しくらい時給が下がっても近くで働く方が無理なく仕事を続けられますよ。
急な薬局の混雑やトラブルでピッタリと帰れないこともあります。家族が帰ってくる30分前には自宅に着けるくらいの場所を選んでおくと安心です。
子供がいるママ薬剤師にとって、家庭と両立しやすい職場であることが一番重要。
家庭の事情でシフトの調整をお願いする場面も多くなるので、シフトの調整や急な休みを気持ちよく受け入れてもらえる体制が整っている職場を選びましょう。
ママ薬剤師のための失敗しない求人選びのポイント
上記ではママ薬剤師のパート先として、オススメできる求人の条件をご紹介しました。
逆に、ママ薬剤師のパート先としてはオススメできない職場・求人の特徴もお伝えしますので、必ずチェックしてくださいね。
地域の相場よりも時給が安すぎる
勤務エリアなど時給よりも優先したい項目はありますが、それでも時給が周りに比べて安すぎるのは損した気分になるもの。
転勤してきたばかり、久しぶりに働くときなどは、まずはその地域の時給相場を調べてみましょう。
時給相場は転職エージェントに聞くと、すぐにわかりますよ。
人員がギリギリの総合診療科の門前薬局
不慣れな薬剤師をサポートできるくらいに人員に余裕がある薬局なら、大学病院など処方せん内容が難しい薬局でもOKです。
でも十分なサポートが得られないような人員配置なら、総合診療科・循環器科など処方が複雑になりやすい病院の門前薬局は避けた方が無難ですよ。
ブランクがあったり経験の浅い薬剤師が難しい診療科の門前薬局に転職すると、職場の人に聞きたいことがたくさん出てきます。しかし、職場が忙しすぎると誰にも聞けず、次第に周りについて行けなくなってしまいます。
様々な処方内容を勉強したいと思うなら、ブランクを解消してから転職する方という方法もあります。
年齢が若い薬剤師・男性薬剤師ばかり
仕方がないことではありますが、子供がいない人に子供の急な体調不良などを理解はしてもらいにくいです。
私も実際に子供がいないときは、申し訳ないですが急に休んでばかりのママ薬剤師にイライラしてしまうこともありました…。
それは誰が悪いということではなく、経験がないことは理解できなくて当然です。
周囲の理解を得られやすい薬局は、自分のほかにもママ薬剤師が働いている薬局と覚えておけば良いですね。
正社員が少なくパートが多すぎる薬局
自分以外にパートのママ薬剤師がいる薬局はオススメですが、パートさんばかりで正社員が少ない薬局はNG。
正社員が少ないと、休みや早退などのシフト調整がしにくいからです。
ほかにも在宅業務のために正社員が薬局を開ける時間があり、パート薬剤師が店舗に残る必要があるため急な早退が難しいなどの事情があることも。
働いた後々のことを考え、家庭とパートのお仕事の両立に支障がないかよく確認しましょう。
時給が相場に比べて低すぎても、職場の理解を得られず家庭を犠牲にすることになっても、ママ薬剤師が仕事を続けるのが大変になってしまいます。
ご自身にピッタリな職場を見つけられないときは、新しいパート求人が出るまで少し待ってみるのも手です。
ママ薬剤師のパート求人探しは転職サイトの利用がオススメ
上でご紹介した「ママ薬剤師のための失敗しない求人選びのポイント」は、私が失敗したな…と思った職場のことです。
例えば都市部から少し離れた郊外に引っ越した際、前の職場と同じ時給の職場を見つけたのですぐにそこに決めました。
でも後からよく調べてみると、私がパートとして働いていた職場は、その地域の時給相場より300円以上低かったんです。とても損した気分になりました。
そのときも転職サイトに登録していれば、そんな失敗はしなかったはず。
夫の転勤に合わせて引っ越し、転職サイトを利用してパート求人を探すようになってからは、転職サイトの担当者とよく相談して求人を探すようにしました。おかげで、希望通りの職場で不満なく楽しく働くことができましたよ。
私の実体験からも、今からパートの求人を探すママ薬剤師には転職サイトへの登録をオススメします。
それでは、薬剤師向けの転職サイトを有効に利用する方法をお伝えしますね。
転職サイトは複数登録する
今までに使っていた転職サイトがある方も、できれば合計3社くらいは登録しましょう。
転職サイトによって「正社員求人が多い」「パート求人が多い」「○○エリアに強いけど、○○エリアには弱い」など特徴があるためです。
そのため全く同じ条件で紹介を希望しても、同じ求人が紹介されるわけではありません。
転職サイトをどれだけ使用しても薬剤師に負担は発生しませんので、3社ほどとやりとりをして一番条件が良いところを利用すると良いですよ。
転職サイトの担当者に伝えたい希望
転職サイトの担当者は、多くの求人の中から求職者の希望に合う求人をピックアップして紹介してくれます。
つまりどれだけ詳細に希望を伝えるかによって、希望に合う求人を紹介してもらえるかどうかが変わるということ。
希望通りの求人を紹介してもらうためには、まず「自分の中で何を優先するか先に決める」ことが大切です。
優先したい項目は人それぞれですが、主に伝えたい希望内容は以下のものです。
ママ薬剤師が転職サイトに伝える希望条件
- 働きたい曜日と時間帯
- エリアと通勤時間
- 扱う診療科や混雑具合
- 時給
平日のみ9時から14時まで、片道20分以内、難しくない診療科で比較的ゆったり働ける薬局、時給2,000円以上
このように希望をまとめたうえで、4つの項目に優先順位をつけておきましょう。
希望の条件に優先順をつけることにより、転職サイトの担当者もピッタリな求人を探しやすくなりますし、希望に合うように企業側へ条件を調整してくれることもあります。
あわせて必ず確認したいことが2つ。
- 子供の体調不良などで急に休むことがあっても大丈夫か
- ブランクがあっても問題ないか
子供の事情だから休むのが当然という態度はNGですが、ママ薬剤師を受け入れる態勢かどうかは必ずチェックしておきたいポイント。
また、ママ薬剤師はある程度ブランクがあるはずなので、ブランクがある薬剤師へのフォローがあるかも確認しておくと安心です。
日本調剤系の転職サイトであるファルマスタッフでは「ブランクあり歓迎求人」という特集がありますし、パート社員でも研修が受けられる薬局を紹介してもらうこともできます。
仮に研修制度がなくとも、人員が豊富でブランクあり薬剤師をフォローできる体制が整っていることを重視してパート求人を探すと、ママ薬剤師であっても安心して仕事を始められますよ。
薬剤師向けパート求人を探すのにオススメの転職サイト
薬剤師転職ドットコム
女性の転職エージェントが多く、気さくで話しやすい方が多い印象。
エージェントにもワーキングママが少なくないので、ママ薬剤師の気持ちや大変さを理解した上で、求人を探してくれます。
パートや派遣求人も多く取り扱っているので、ママ薬剤師以外にも、ワークライフバランスを重視したい方にもおすすめできますね。
マイナビ薬剤師
「求職者のニーズにベストマッチする求人を見つけること」を重視しているため、転職者の満足度が高い転職サイトです。
親会社が大手人材関連企業なので、大手企業との繋がりが太く掲載求人数も多いですが、20~40店舗の中堅チェーンや個人薬局にもシッカリ営業しているので、幅広いジャンルの求人があります。
求職者からヒアリングした希望と、企業から収集した情報の2つを活かし、求職者・求人先の希望をしっかりマッチさせることから、実際に求職者に人気がある転職サイトですよ。
ファルマスタッフ
高年収・キャリアアップを叶えやすい上に、紹介先にも詳しく頼れる転職サイトです。
厳選された求人ばかりのため転職後に不満が出にくく、マッチング後の離職率は業界内で低い方です。
ファルマスタッフは業界トップクラスの調剤薬局の子会社なので、調剤薬局の業務や実情に詳しく、面接にも必ず同行してくれます。
ファルマスタッフのエージェントは、年収や勤務条件の交渉を、かなり粘り強く頑張ってくれます。
他社で紹介されて希望が叶わなかった求人が、ファルマスタッフに交渉してもらって希望が合うようになったという実例もありますよ。
まとめ
産休・育休の後に復帰してママ薬剤師になるのと、一度仕事を辞めてからブランクの後に再就職してママ薬剤師になるのでは、大変さが全然違います。
ブランクの間にカンが鈍りますし、その間に新薬が出たり診療報酬改定があったりと、現場の事情も変わるからです。
加えてお子さんがまだ小さいのであれば、急な体調不良や学校行事でシフトの調整をお願いする場面が多いもの。
そんな時に気持ちよく休ませてくれるような職場を選ぶと、ママ薬剤師でも安心して仕事を続けられます。
ママ薬剤師として安心してパートのお仕事を始められるように、今回ご紹介した内容を参考に自分に合った求人を探してくださいね。

三上小夜香

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