ドラッグストアって給料はいいけど、夜遅いし、年中無休で休みも変則的。疲れた…
ドラッグストアで働く薬剤師のよくある悩みではないでしょうか。
でもドラッグストアって調剤薬局より100万円近く年収が高いし、年収を考えると辞めたいと思ってもそう簡単に踏ん切りつかないですよね。
筆者はかつて製薬会社のMRから転職するときに、年収ダウンを最小限に食い止めるためにドラッグストアを選択しましたが、そのドラッグストアを辞めるときにはさすがに迷いました。
「ドラッグストアを辞めて薬局薬剤師になると、また年収が下がっちゃうな。
転職するたびに年収が下がっていくなんて嫌すぎる、どうしよう…。」と葛藤したものです。
しかし思い切って転職してみた結果、管理薬剤師となった今はドラッグストア時代よりも年収が上がりましたし、休みも木・日・祝と安定していて有休も取りやすいです。
公私ともに充実していて、転職前の悩みはなんだったんだろうという気持ちです。
とはいえ、将来性が高く給料も良いドラッグストアを辞めることに、ためらう薬剤師の方は多いですよね。
そこで実際にドラッグストアを辞めた筆者の実体験を交えつつ、ドラッグストアを辞めたい人の賢い立ち回り方法を紹介します。
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薬剤師がドラッグストアを辞めたいと思うのはどんなときか
ドラッグストアで働く薬剤師が「辞めたい!」と思うのは、どんな時でしょうか?
多くの方に共通する理由をまとめました。
ドラッグストアを辞めたいと思う理由
- 土日祝日も出勤しなくてはならない
- 深夜のシフトが多い
- 残業が多い
- 異動・転勤が多い
- 薬剤師の本分から外れた仕事が多い
- 調剤に携われない
土日祝日の出勤や深夜のシフトは、ドラッグストアで働く多くの薬剤師が悩むポイントの一つです。
特に30代を過ぎて家庭を持つようになると、ドラッグストアの不規則な勤務時間や残業は大きな負担になりがち。
最近では全国展開を目指すドラッグストアが増えており、県をまたぐ転勤も増えてきています。
OTC販売や接客・レジ打ちなどの薬剤師の本分から外れた仕事が多いことや、調剤に携われないということも、ドラッグストアで働く薬剤師の悩みの種です。
筆者がドラッグストアを辞めたいと思った3つの理由
本稿の筆者は新卒で入社した製薬会社を数年で退職後、ドラッグストアに中途入社しました。
ドラッグストアを目指したきっかけは次のようなもので、ドラッグストアで働くことに強い思い入れはありませんでした。
- 全国規模の会社であれば面接を受けやすい
- 年収が高いので製薬会社からの転職でも給与水準を維持できる
- これからはセルフメディケーションの時代だから
そのためかドラッグストアで働くうちにさまざまな不満がつのるようになり、「このまま働き続けても自分にとってプラスにはならない」と感じ、退職を決意しました。
ここでは、その理由を具体的にみていきましょう。
ドラッグストアは働く時間が不規則
ドラッグストアは基本的には年中無休。24時間営業をおこなっている店舗もあります。
いくら週40時間ベースの労働といえど、深夜遅くまでの勤務が続くと、辞めたいと思うようになりました。
ドラッグストアは異動が多い
私は入社したてだったので対象となりませんでしたが、周りのスタッフはかなりの頻度で異動を命じられていました。
ひどい時には、「明日から○○店に異動ね」ということもありました。急にそのようなことがあれば、落ち着いてキャリアを積むこともできません。
ドラッグストアは調剤に対する教育体制がととのっていない
ドラッグストアの強みは物販です。調剤併設店も増えていますが、教育体制は十分ではありません。
特に調剤未経験で入社している私にとって、調剤をしっかりと勉強できないのはストレスでした。
入社後に気づいたことですが、製薬会社出身の私が一番やりたかったことは、やはり医療用医薬品に携わる調剤だったのです。
ドラッグストアを辞められない!薬剤師の悩みの理由とは?
どんな職場であっても、働いていく内にさまざまな不満が出てくるものです。
中でも、ドラッグストアで働く薬剤師はかなりの割合で不満をかかえているように思います。(さまざまな職場をみてきた筆者の私見ではありますが。)
しかし売り手市場の薬剤師の世界においても、多くの方がなかなか転職をできずに我慢をしながら働き続けているのはなぜでしょうか?
まずは、ドラッグストアを辞められない薬剤師の悩みの理由をみていきましょう。
ドラッグストアから転職したら年収が下がる
ドラッグストアは、薬剤師が働く職場の中でも年収が高いことで知られています。
調剤薬局に転職すると多くの場合、年収は下がってしまいます。
年収を下げることに抵抗を感じる方は多く、「つらいけど辞められない」という悩みにつながっていますね。
今後はセルフメディケーションの時代だといわれている
「医療費削減」が叫ばれる中、ドラッグストアはある意味では、時代の波に乗っている業態ともいえます。
調剤報酬改定によって調剤薬局が苦しんでいる中でも、ドラッグストアの多くは過去最高益をたたき出しています。
「落ち目の調剤薬局に転職しても将来性はあるのか?」と考える薬剤師も多いのです。
転職することが面倒!いまの職場でもトラブルになりそう・・・
転職には大きなエネルギーが必要です。
転職でトラブルになる話はよく聞くので、「このまま働き続けることが得策」と考えて転職を避ける薬剤師も多いのではないでしょうか。
ドラッグストアを辞められない薬剤師の悩みに対する解決方法と転職成功例
続いて、これらの悩みの解決方法をみていきましょう。ここでは、私の実体験もご紹介します。
「ドラッグストアから転職したら年収が下がる」という悩みの解決方法とは・・・
「ドラッグストアから転職したら年収ダウンは避けられない」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
調剤薬局であっても地域や規模によっては、ドラッグストアよりも高年収が期待できる場合があります。
また管理薬剤師などの役職に就くことで、高年収を実現できることも。
筆者の場合では、実際にドラッグストアから調剤薬局への転職で管理薬剤師となり、160万円の年収アップを勝ち取ることができました。
調剤薬局に転職しても年収アップできる
こちらの「薬剤師はどんな年収アップ転職ができるか転職エージェントが徹底解説!」の記事で転職エージェントさんが仰っていますが、「年収を上げていきたい」という方は積極的に転職したり職場や環境を変えようとする傾向があるそうです。
同じ会社で働き続けている人より、色々な経験や知識・人脈のある方のほうが、結果的にマネジメントポジションで活躍できるのだとか。
ドラッグストアを辞めれば一時的には年収が下がるかもしれませんが、ドラッグストアでの経験を活かしてキャリアアップしていけば、年収アップできる可能性が高いですよ。
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「今後はセルフメディケーションの時代だといわれている」という悩みの解決方法とは・・・
確かに「セルフメディケーション」は今後間違いなくキーワードになってくるはずですが、必ずしも「ドラッグストア>調剤薬局」というわけではありません。
調剤薬局にも「かかりつけ薬局」や「在宅医療」を通じて、地域医療に貢献するという大きな役割があります。
私は転職後ずっと調剤薬局の薬剤師を続けていますが、ドラッグストア時代よりもやりがいを持って働くことができています。
「転職することが面倒!いまの職場でもトラブルになりそう・・・」という悩みの解決方法とは・・・
転職をきっかけにトラブルになることは、決して珍しい話ではありません。
「辞め方がわからない」「辞めさせてもらえない」ということも少なからず耳にします。
この悩みの解決方法はただ一つ、「転職エージェント」を活用することです。
私の場合では、転職エージェントに退職の段取りや転職先の書類作成のサポートをしてもらうことで、スムーズに退職をすすめることができました。
ドラッグストアを辞めたいと思っている人が、そのままドラッグストアで働き続けるとどうなるか
悩みをかかえたままドラッグストアで働き続けることは、正直おすすめできません。
理由はいくつかありますが、お伝えしたいのは主に2つ。
- ドラッグストアの仕事を辞めたいと感じる人は、心身ともに負担がかかっているから
- 年齢を重ねるほどに調剤未経験者は転職しにくくなるから
ドラッグストアの仕事はハードですが、昼夜逆転でも気にならない人や高年収なら残業が長くても大丈夫という人もいます。
ただ仕事の内容や働き方がツラいと感じるなら、それは心身ともに負担がかかっているということ。
ドラッグストアの仕事は一般的に調剤薬局よりも体力を使うし、プライベートを圧迫されてストレスもかかります。
そのまま仕事を続けていると体調を崩したり、集中力が切れてケガやミスの元に。
調剤薬局がどんな薬剤師でも受け入れていたのは、ひと昔前の話です。
今は調剤薬局がつぶれることもありますし、調剤事務さんの可能な仕事範囲も広がったことで、今後はさらに知識や技術が高い薬剤師が優先して雇われるようになります。
つまり今後は、今まで以上に年齢を重ねるほど調剤未経験から調剤薬局への就職は難しくなるということ。
調剤に携わりたい気持ちがあるなら早いうちに転職を決意しないと、やりたい仕事ができないまま薬剤師人生を終えてしまうかもしれませんよ。
まだ決断しきれないという方は転職サイトでどんな調剤薬局求人があるのか見てみるだけでも良いので、後悔がないように行動してみてくださいね。
本当にドラッグストアを辞めて大丈夫?ドラッグストアを辞めて大丈夫な人・辞めないほうがいい人
ここまでは、ドラッグストアを遠慮なく退職してもよいという話をご紹介してきました。
しかし、「辞めていい人」と「辞めないほうがいい人」はもちろん分かれます。
順にみていきましょう。
ドラッグストアを辞めていい人
- ドラッグストアの仕事内容を十分に理解できている
- 薬剤師としてやりたいことがしっかりと定まっている
- 薬剤師としてのスキルが一定以上の水準にある
ドラッグストアを辞める場合には、「ドラッグストアの仕事内容を十分に理解できている」必要があります。
ドラッグストアの仕事を十分に理解した上で、「この仕事は自分に向いていない」と判断したのであれば、早急に辞めるべきです。
「自分が薬剤師として何をやりたいか」ということを決めることも重要。
「在宅医療で患者さんに寄り添いたい」「かかりつけ薬剤師として力を発揮したい」など、明確な理由を持って転職活動をおこなえば、必ず良い転職先が見つかります。
薬剤師としてのスキルが一定以上にある場合にも、転職によって管理薬剤師や薬局長などのポジションを狙えるため、ドラッグストアを辞めても問題なく高年収を維持していけるでしょう。
ドラッグストアを辞めないほうがいい人
- ドラッグストアでの勤務経験があまりにも短い
- 薬剤師としてのスキルがまだまだ低い
- 人間関係や不規則なシフトなど、ドラッグストアの業務以外で行き詰まりが出ている
勤務経験があまりにも短いという場合には、転職はおすすめできません。
次の章でもご紹介しますが、ドラッグストアの経験は調剤薬局などのその他の職場でも生かすことができるためです。
薬剤師としてのキャリアを考える上で、ドラッグストアの勤務経験があることをプラスにできるようにしましょう。
薬剤師としてのスキルが低いうちから転職をおこなうことも、おすすめできません。
中途採用では即戦力の薬剤師が求められるためです。どうしてもという場合には、転職エージェントに相談して第二新卒を歓迎している職場を探しましょう。
人間関係や不規則なシフトは、店舗特有のものである可能性があります。
転職をせずとも、店舗移動をおこなうことで解消される場合があるため、上司や人事に相談をしてみましょう。
ドラッグストアでの経験は薬剤師としてプラスになる
こちらの記事「ドラッグストアから調剤薬局への転職、気を付けるポイントは?」でもご紹介しているとおり、ドラッグストア出身の薬剤師には明確な強みがあります。
「OTC医薬品や健康食品の知識」においては、ドラッグストアを経験した薬剤師の右に出るものはいません。
実際に調剤薬局でも、「○○という市販薬を飲んでるけれど、飲み合わせは大丈夫?」と患者さんからよく聞かれます。
そんなとき、「あの人はドラッグストアにいたことがあるから、聞いてみよう」と職場で頼られることも多いので、ドラッグストアの経験は生きるといえますね。
提案力もドラッグストア出身の薬剤師の強みといえます。
調剤薬局の薬剤師は、医師の処方せんをもとに調剤をおこなうため、「受け身」の業務が多くなりがちです。
もちろん疑義照会などの業務は大切ですが、それでも自分から提案をおこなう機会は、そう多くはありません。
患者さんから相談された際に、率先して提案をおこなうことができるのは、ドラッグストア経験者の強みといえるでしょう。
薬剤師がドラッグストアを辞めるなら転職サイトの利用がおすすめ
ここまでご紹介したとおり、ドラッグストアが自分に合っていないという場合には転職を検討したほうがいいでしょう。
しかし転職は人生の一大イベントであり、いろいろと面倒なものです。
退職届や離職票・雇用保険などなど、さまざまな手続きが必要となりますよね。
これらを自分一人の力で完遂することは難しいので、そんなときには転職サイトを活用してみましょう。
転職サイトを利用することで、さまざまなサポートを受けられます。
自分にオススメの職場紹介や履歴書の書き方・面接での立ち振る舞い・退職届と退職願の違い・辞めたあとの手続きなど、自分ひとりの力では解決できないことも全て聞くことができます。
しかも費用はまったくかからないので、薬剤師側のデメリットはありません。
筆者が転職サイトを利用した理由
筆者も実際に転職サイトを利用することで、楽に転職をおこなえました。
はじめは自分ひとりの力で転職活動をしようと考えたこともありましたが、仕事をしながらの転職活動はかなり難易度が高いといえました。
加えて自分にはどのような職場が向いているのか、転職に際して何をすれば良いのかなどがまったくわからなかったため、不安で仕方がありませんでした。
そんなときすべての疑問をぶつけられるパートナーが欲しいと考えて、転職サイトに登録してみました。
転職時にはさまざまなサポートを受けることができ、本当に助かりました。
履歴書についても、「このように書けば良い」というフォーマットをもらえたので、楽に書類作成がおこなえました。
面接時にもエージェントが同行してくれたので、何の不安もなく面接に臨むことができました。
何度も言いますが、転職サイトを利用することのデメリットは全くないので、迷ったら登録することをおすすめします。
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※マイナビ薬剤師の詳細は「マイナビ薬剤師の評判・特徴を転職エージェント2人が赤裸々に暴露!」の記事で解説しています。
まとめ
ドラッグストアは過酷な職場も多く、辞めたいと考える薬剤師は決して珍しくありません。
「このままで良いのか」「他にもっと良い職場があるのではないか」など、いろいろと葛藤することもありますね。
そんなときには、まずは立ち止まって考えることが重要です。
なぜなら「すぐに辞めて良い方」と「もう少し頑張った方が良い方」がいるからです。どの選択が自分にとって一番メリットがあるのかを考えて、効率的に立ち回らなくてはなりません。
自分ひとりの力で決断が下せない場合には、転職サイトに登録してエージェントに相談するのがおすすめです。
この記事を参考にして、薬剤師としてやりがいを持ってはたらける、理想の職場を手に入れてくださいね。

ヤス

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