多くの薬剤師が「大変」と感じる、一包化の監査。
一包化の錠剤監査システムは、薬剤師の苦労を減らしてくれる便利な機械!
目視では確認しにくい、細かい刻印もチェックしてくれます。
しかし機械での監査に、不安を感じる薬剤師も少なくありません。
「本当にちゃんと一包化のチェックができるの?」
「人間がやるより、遅いのでは?」
ここでは一包化錠剤監査システム3機種の解説に加え、実際に利用している薬剤師の口コミを紹介します!
一包化の監査で苦労している薬局・薬剤師の方、必見です!
在宅や施設薬の一包化が増える中、監査システムは大きな助けになってくれますよ!
高園/富士フィルム PROOFIT 1D
画像引用元:FUJIFILM
カメラで有名な富士フィルムの技術により、高精度な画像監査を実現した監査システムです。
独自の画像認識技術で、細かい錠剤の画像もしっかり抽出。
画像引用元:FUJIFILM
撮影した錠剤は、刻印の向きを揃えて一覧化。
刻印の強調が入るため、目視監査が簡単になります!
画像引用元:FUJIFILM
処方と異なる刻印が表示された場合は、わかりやすくアラートが出ますよ。
監査済みの分包には、ラベルが貼られます。
QRコードを読み込むと、一包ごとの監査記録が見れますよ。
画像引用元:FUJIFILM
「機械監査」と薬剤師による「目視監査」、さらに「監査情報記録」により後から一包化の中身を再度確認することも可能。
画像引用元:TAKAZONO
安心安全の一包化監査のため、確実に役立ってくれるシステムです!
以下は高園/富士フィルムの一包化錠剤監査システムを使用している薬剤師の声です。
※ご意見は一部読みやすいように改変しています。
PROOFIT 1Dを利用して良いと思うところ
ならし強化の状態で監査すると、10錠以上錠剤が入っていても比較的エラーが少なく読み込み精度が高くなるところ。
※ならし機能…錠剤が重なっている場合に、自動で錠剤を散らしてくれる機能
インクで印字されてある錠剤は目視でも確認できるが、刻印のみだととても見づらい。
薬剤名と錠数を確認しやすいので助かっている。
肉眼では確認できない小さな刻印でも、写真を撮ることで拡大され強調もされるので、しっかりと見分けられるところ。
画像が鮮明で、一剤ずつ監査してくれる所。
ラベル貼付もひとつひとつ綺麗に貼付でき、いくつかの印字パターンも登録できるので便利。
一種類ずつ写真を認識し、縦一列で錠剤の確認ができるので間違いが見つけやすいし、写真を全て残せるので後で何かあった時も内容を確認できる。
薬を出すまで時短につながるし、監査する方も突拍子もない間違いは無くせるので助かります。
機械の正確性と技術の高さが素晴らしいです。カメラの画像も鮮明で分かりやすく、記録もとっていられるので後で確認もできるのは良いです。
PROOFIT 1Dの改善して欲しいところ
薬が交互の服用の時にも対応できるようになってほしい。
患者さんから「シールが紙で分包紙がプラスチックなので、ゴミの分別が大変だから薬は朝だけしかないからシールを貼らないでほしい。」というリクエストがあったのでシールを貼らずに監査するモードを作ってほしい。
新薬あるいは新規採用薬の場合、マスタを登録するのが面倒くさい。
分包機がネットと連携して、情報をアップロードしてくれれば薬剤師の負担が減る。
もう少し動きが早くなってほしい。カプセルや細長い形状の錠剤の認識がされにくいところがある。
特にカプセルは色が別れたところで2種類のものと読み取ることが多い。
120包以上は別にしないといけないところ。
例えば63日処方だと分2から分けないといけないのが少し面倒。
ラベルにQRコードが付いてるのを無しにする設定ができないので、ラベル印字の設定に制限がある。
写真を撮る機械と監査する機械があまり連携されてないので、途中でラベル切れしてしまったりして止まってしまうとややこしい。
もう少し融通が効く設定をしたい。
絡まないように注意するので、包数の上限を無くして欲しい。
用法が2個以上あった場合、別々の日数で監査出来ない。用法も制限が多く新たに設定できないので、もう少し自由に色々と設定できるようになって欲しいです。
やはり認識力の部分です。
錠剤が縦になっていて認識しなかったり、ラインマーカーを遺物と判断したりすることなどもよくあります。
刻印の認識・強調による、1剤ずつのチェックはやはり安心で満足度高め。
薬剤師による目視にも役立ちます。
包数制限がデメリットではありますが、認識や撮影の技術はダントツと言えます!
今回の口コミ調査でも、1番多く使われていたのがPROOFIT 1Dでした。
湯山 一包化錠剤鑑査支援装置 TabSight-S
画像引用元:日本薬科機器協会
分包機メーカーとして薬剤師に身近な、湯山の一包機監査システムです。
大手分包機メーカーだらこその、気配り設計。
透明カプセルはもちろん、1/4錠の監査も可能です!
画像引用元:湯山製作所
最大999包まで連続監査できるもの便利!
施設薬など、大量の一包化の監査に役立ちますね。
監査システムとモニターの行き来をする手間がなく、作業がはかどります。
画像引用元:湯山製作所
従来機に比べ約1.2倍となった、スピード監査もウリです。
高速モードでは、1包約1秒での監査を実現。
手巻き薬品を監査可能なUC(ユニバーサルカセット)付き分包機との同時運用で、さらにスピードアップ。
大量処方も監査も楽々です。
画像引用元:湯山製作所
湯山の機器は、操作が簡単なことで評判。
一包化監査システムも操作がシンプルかつ、結果が感覚的にわかる親切設計ですよ!
画像引用元:湯山製作所
薬剤師に身近な湯山の機種だからこそ、使いやすく安心ですね!
以下は湯山の一包化錠剤監査システムを使用している薬剤師の声です。
※ご意見は一部読みやすいように改変しています。
TabSight-Sを利用して良いと思うところ
とにかくスピードが速い。
目で見て監査するよりも機械でやったほうが早いことが分かった。
今までに調剤ミスも何件か見つけてくれている。
施設を多く抱えている薬局なので、この監査システムを導入してもらってから施設数が増えても薬局業務がまわるようになって助かっています。
間違っている判定のマークが分かりやすくなく、患者様に不安感を抱かれにくい。
半錠の判定もおおよそ正確。画像データを確認できるため、その場で時間がなくてもあとで再確認できる。
必ず人の目でもチェックするのですが、一旦機械が監査してくれることで、Wチェック出来るところが良いところだと思います。
TabSight-Sの改善して欲しいところ
たまに払い出し箇所で詰まってしまうことがある。
金額が高いので全店に置くのは今のところ無理なので安くしてくれたらうれしい。
不具合がある時にyuyamaの担当者がもう少し早くに駆けつけてくれたら助かる時があります。
施設が多いので不具合があるとすぐに直してほしいから。
3剤以下など少数の薬剤の鑑査のときには、よりスピードをあげてほしい。
遮光・防湿が必要なもの、その他分包においての注意点が分かりやすく表示されるとうれしい。
分包紙のねじれなどでエラーが起こりやすい。長期処方こそ監査して欲しいのに、長期処方だとエラーになりやすく、時間がかかりすぎて役に立ちません。
今回紹介した3機種の中で、最高速度が出るのははPROOFIT 1Dです。
実際、スピードに満足している口コミが多いです。
詰まりなどエラー頻度が減れば、さらに薬局の運営がスムーズになりますね!
TOSHO 錠剤一包化鑑査支援システム MDM
画像引用元:TOSHO
湯山と同じく、一包化の分包機で身近なトーショーの監査システムです。
分包機メーカーだからこそ、システムがしっかり連動。
入力された処方情報は、自動で分包機と監査システムへ。
分包機で巻き取りされた分包紙は、専用スタンドからスムーズに監査システムに進みます。
画像引用元:TOSHO
監査結果は、モニターでわかりやすく表示されます。
監査システムによるエラーアラートに加え、目視によるダブルチェックが可能。
画像引用元:TOSHO
初回一包化監査の記録が残るのは当然として、オプションで修正後の記録も可能!
最後の最後まで、安全な投薬に役立ちます。
画像引用元:TOSHO
トーショーの一包化システムを最大限に活用できる、安心設計の監査システムです!
以下はトーショーの一包化錠剤監査システムを使用している薬剤師の声です。
※ご意見は一部読みやすいように改変しています。
MDMを利用して良いと思うところ
鑑査したものを、時系列で確認することが出来るところ。
分包内容の記録が画像で残るので、施設患者等の日付印字を再確認する際にも素早く対応することができて、助かっています。
とにかく速い正確。その二言です。
一度錠剤カセットに違うものが紛れていて、そのまま分包されていたのですが、そのミスもすぐ見つけてくれた。
画像目視もスムーズにでき言うことなし。
11月末頃に導入予定です。写真にて記録できる部分が良いと思います。
薬剤師の業務量減少につながる可能性がある。
MDMの改善して欲しいところ
操作マニュアルが分かりにくく、当院独自にこのシステムのマニュアルを作成した。
一包化のピローがずれているとまれに認識されないことがあるところ。
機能がたくさんあるため仕方がないのですが、機械が大きく重いので錠剤を落としてしまった際や掃除の際に動かすのが大変です。
設置上大きさは仕方ないと思ったが、薬局の広さが狭いため幅を取ってしまう事が1番の課題。
監査システムのみ独立して販売してくれるとありがたい。
一方向からしか分包紙を流さないところ、
刻印は読み取れないところ、スペースをとる、
分包紙を透明から変更しなくてはならず薬剤師の目で確認する場合確認しづらい、
錠数が増えるとエラーが起きやすい、
薬剤師の目で監査するより速度が落ちるなどです。
トーショーの分包機と連動させ、スムーズに監査可能なMDM。
監査システムのみでも使用できるようになれば、さらに利用が広がりそうですね!
まとめ
一包化の監査システムの導入は、様々なメリットがあります。
監査システム導入のメリット
- 薬剤師の労力を軽減できる
- 薬剤師と機械のダブルチェックが可能
- 記録が残せるので後で再確認できる
デメリットと言えるのは、導入費用が高いことですね…
一包化の監査は、薬剤師の神経をすり減らす業務。
監査システムの導入で薬剤師の労力を軽減し、安全性も高められます。
口コミを含め、一包化の多い薬局での監査システム導入の参考にしてくださいね!
三上小夜香
大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。