子育て中の共働き家庭で小学校入学が近づくと気になるのが、いわゆる「小1の壁」問題。
子どもが保育園から小学校に行くようになると、例えばこのような違いが出てきます。
- 保育園と違って下校時間が早い
- 授業参観やPTA総会で、平日の日中に学校に行く必要がある
- 夏休みや冬休みといった長期休暇がある
子供の生活・学校生活へのサポートが、保育園時代よりも多くなってしまうんですね。
「今のままの働き方を続けるのは難しそう…。」
「小学校入学くらいには復帰しようと思ってたけど、どんな職場がいいのかわからない。」
そんな悩めるママ薬剤師に向けて、小1の壁を超えるための転職先探しのポイントをお伝えします。
今まさに小1の壁問題で悩んでいるママ薬剤師の方も、これからお子さんが小学生になるという方も、自分にピッタリで家族にも負担がかからない転職先探しのために参考にしてくださいね。
三上小夜香
大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。
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ママ薬剤師が小1の壁を超えるために整えたい家庭環境
まず「小1の壁」とは具体的にどんな問題を指しているのか、もう少し詳しくお話しますね。
小1の壁とは
- 保育園と比べ、小学校の学童預かりの時間が短いこと
- 参観日や家庭訪問など、平日の日中の行事が多いこと
- PTAや行事の係など、親への負担が保育園よりも大きいこと
- 春休み・夏休み・冬休みといった長期休みがあること
- 持ち物のチェックや宿題のサポートなど、親の手が必要となる場面が増えること
これら小1の壁問題をクリアするには、家庭と仕事の環境を整えることが大切です。
まずは家庭の環境を整える具体的な方法を、4つ紹介します。
ママ薬剤師が小1の壁を超えられる環境の転職先の探し方は、次の項目で解説しますね。
学童保育を利用する
学童保育とは、共働き家庭の小学生を小学校の空き教室や公民館などで預かってくれる制度のことです。
放課後児童クラブなどと呼ばれることもあり、共働き家庭の預け先として一番スタンダードと言えます。
ただ保育園に比べて預かってくれる時間が短く、平日は放課後から夜7時くらいまで・長期休みを含む休日は朝8時から夜は7時までです。
自治体によってはもっと預かり時間が短いことも。
親に残業が発生すると、学童保育だけでは預かり時間が不十分なこともあります。
家族の協力と理解を得る
ママも働く家庭では、ママだけが仕事と育児・家事の両立をすると体が壊れてしまいます。
早いうちから、家族全体での協力体制を作るのが大切です。
例えば、子どもの体調不良時にはパパもお迎えに行けるように調整する、食事の用意をするなどですね。
子ども自身にも、できるだけ自分のことは自分でやるようにお話しておくのも大切です。
祖父母のサポートを受ける
もし祖父母のサポートを受けられる環境なら、可能な範囲で手伝ってもらいましょう。
遠方で普段はサポートしてもらえないという方も、長期休みに泊まりに行かせてもらうとママの負担がグッと小さくなります。
子どもも親と離れて生活することで、普段とは違ったことを学び大きく成長できますね。
ファミリーサポート・シッターサービスを利用する
「子どもが小さいときに登録したっきり…」という方が多いファミリーサポート。
実は、小学生になると働くママの力になってくれます。
ベビーシッター的なイメージですが、実は習い事の送り迎えなどもしてもらえるんですよ。
特定の曜日だけ学童保育の終了時間に間に合わないという場合も、学童保育から仕事の終了時間まで子供を預かってもらえます。
利用には登録が必要なので、一度登録を済ませておくと安心です。
ファミリーサポートでは条件が合う人が近所にいないとお願いできないのですが、シッターサービスであれば要望が叶いやすくなります。
KIDSLINEなど大手シッターサービスには、子どもの宿題まで見てくれるシッターさんも登録されていますので「あと1時間が間に合わない…」というときに利用しても良いですね。
参考動画:kidsline|ご利用の流れより
小学生のお子さんを持つママ薬剤師さんが働きやすい転職先とは
働く時間や給与など求人票では同じように見えても、職場の雰囲気や子育てに対するサポートは職場によってぜんぜん違います。
お子さんが保育園のうちは問題なく働けていても、小学生になると両立が難しくなる職場も…。
実際に入学を機に、転職するママ薬剤師も珍しくありません。
小1の壁を超えられる転職先の特徴は、以下の3つです。
小学生ママ薬剤師にオススメする転職先の条件①企業として子育てに協力的
気になる転職先が、企業として子育てに協力的かどうかまず確認しましょう。
薬剤師は女性も多く活躍している仕事なので、行事に対するシフト調整・突発休への対応など企業として子育てへの支援体制を整えていることが珍しくありません。子育てサポートに力を入れている企業は、企業のホームページで子育て支援をアピールしていることも多いですね。
引用元:アイングループ
子育てサポート企業として厚生労働省の認定を受けた証拠である、「くるみんマーク」や「プラチナくるみん」マークがある企業も良いですよ。
引用元:厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
転職エージェントには、気になる企業の育休取得率や時短勤務者の数などを調べてもらいましょう。
一般的に薬局長や管理薬剤師にママ薬剤師がいる企業は、子育て支援が充実している傾向です。
小学生ママ薬剤師にオススメする転職先の条件②店舗として子育てに協力的
企業として子育て中のママ薬剤師に配慮していても、店舗責任者が非協力的というケースも。
要チェックするべきは、在籍年数が長い子育て中のスタッフがいるかどうか。
子育て中のスタッフが長く在籍していれば、子育て中でも働きやすい環境と推測できます。
今は子育て中のママ薬剤師がいないと回答された場合、過去にはいたかどうかが重要です。
過去にはいたけど現在ママ薬剤師がいないとしたら、今はいない理由を聞きたいところ。
- 旦那さんの転勤など本人の事情で退職した
- 子育てとの両立が難しく異動・退職した
この2つでは全然意味合いが違いますよね。
転職エージェントに、子育てママの勤務状況や退職理由については突き詰めてチェックしてもらいましょう。
小学生ママ薬剤師にオススメする転職先の条件③応援人員がもらいやすい
ママ薬剤師が休んだら「残ったスタッフが頑張る」という対応をする職場は多いもの。
でもこれでは、何度も急なお休みをもらうのは気が引けてしまいますよね。
自分以外にママ薬剤師がいて、その人が休んだ時にも大変です。
そこで重視したいのは、休んだ人の代わりの応援(ヘルプ)がもらえるかどうか。
基本的には企業規模が大きく、近隣にヘルプ対応可能な店舗があることがポイントです。
規模が大きくエリア内に薬剤師が多くても、各店舗にはギリギリの人員しか配置していないことも。
実際にヘルプは出せているのか、複数急なお休みが出たらどのように対応しているのか、転職エージェントに確認してもらいましょう。
最近は店舗に属さないラウンダー人員を配置させて、ヘルプ枠を補うという運営をしている企業もありますよ。
どの条件も求人票の情報だけではわかりません。転職エージェントに調査してもらい、併せて見学に行って店舗の環境や人員配置の状況などを見てくるのが大事です。
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小学生以上の子供がいるママは、パートじゃないと難しい?
正直なところ、小学生ママで働いている方はパート勤務の方が多いですよね。
行事やPTAなどへの対応を考え、正社員は無理かなと考えるママ薬剤師も多いです。
ですがパート勤務でも上でご紹介した条件を満たせない職場だと、続けるのが大変。
逆に言えば、正社員・契約社員といったフルタイム勤務でも、家庭環境を整えた上で働きやすい職場を選べば問題なく家庭との両立は可能です。
以前は仕事と家庭のバランスに悩んでいたけど、現在は克服されて上手に家庭と正社員の仕事を両立されている方のお話を伺いました。
先輩のママ薬剤師から「できる限り働く、でも無理なものは無理と割り切る」というアドバイスをいただいたことで、気持ちが楽になりました。
中略
学級閉鎖や子どもの体調不良の場合、仕事は休むしかありません。職場には申し訳なく気を遣いますが、私の場合はこれまでの経験で子供に無理をさせてしまったという罪悪感の方が辛かったので、割り切って休むことにしています。
40台前半 東京都
もちろん「子どもがいるんだから仕方がないでしょ!」みたいな態度はNG。
そうは言っても周囲を気にしすぎて子どもや家族に負担をかけては、仕事を続けること自体が難しくなってしまいます。
急な発熱や体調不良は仕方ないことであり、自分しか子どもの看病をする人がいないなら休むしかありません。
ある程度は割り切り、気にしすぎないことも大切です。
その分出勤しているときには率先して仕事し、サポートしてくれる周囲に感謝を忘れずにしていればOKですよ。
小学生がいるとパートでしか働けない…なんてことは決してないですし、フルタイム勤務で働いているママ薬剤師はたくさんいるので、いろいろな選択肢を検討してみてくださいね。
小学生ママ薬剤師の転職先:ドラッグストア
現在多くの薬剤師が選ぶ職場は、病院・調剤薬局・ドラッグストアのいずれかです。
どの職場でもシッカリ転職先を選べば、小学生ママ薬剤師が働くことは可能。
でも実は一番オススメなのはドラッグストアなんです。
ドラマ「アンサングシンデレラ」の中でも、育休開けの薬剤師が病院に復帰せずドラッグストアに転職するシーンがありましたね。
ドラッグストアの仕事は、未経験でもスタートしやすいメリットも。
まずは、実際にドラッグストアで働いているママ薬剤師の声を紹介します。
大手ドラッグストアで正社員として働いているママ薬剤師
時短勤務を利用し、日祝日はお休みで働いています。
子供が小学校6年生の学期末まで、最大2時間の時短で働けます。
時短勤務の人は早番しか入らないですし、残業もないように調節してもらえます。
私は日祝休みにしていますが、土日休みも希望によっては可能ですよ。
ママ薬剤師は子どもの体調不良で急な休みを取ることがあるので、社員数の多い店舗に配属となります。
急な欠勤があっても周りのサポートが受けられるので、小学生の子供がいても正社員として問題なく働けています。
30代 東京都
大手ドラッグストアで契約社員として働いているママ薬剤師
転勤がない契約社員として働いており、日祝休みのシフトです。
子どもが小学校6年生の終わりまで時短勤務が利用でき、1~3時間希望に合わせて短縮可能です。
基本的に時短利用者は早番のみですが、朝遅く出勤する方が都合が良いということで遅番で時短にしている人もいます。
契約社員の方が条件の融通も効いたりとメリットが多いので、女性は契約社員が多いです。
40代 宮崎県
ママ薬剤師の転職先にドラッグストアがオススメの理由
時短勤務が子どもが中学生になるまで利用可能
時短勤務制度は「育児・介護休業法」で決められた制度であり、どんな職場でも法律上は子供が3歳になるまで利用可能です。
調剤薬局では子どもが小学生になるまで時短勤務可能という企業が多いですね。
一方、大手ドラッグストアは中学生になるまで時短が利用できる企業が複数あります。
ウエルシアやマツモトキヨシが代表ですね。
出典 ウエルシア薬局|採用情報 福利厚生
出典 マツモトキヨシホールディングス|採用情報 ワークライフバランス
数名のママ薬剤師さんにアンケートをとったところ、9時~16時で働く方がほとんどでした。
時短社員の場合は勤務時間が短くなるだけではなく、次のようなメリットも。
時短社員のメリット
- 早番に回してもらえる。遅番になることはまずない。
- 応援や転勤はならない。店舗の異動はあり得る。
- 日祝の勤務を免除(GWのように祝日がずっと続くような時は何日か出勤してもらうことはあり)
時短制度を利用して16時に仕事が終わるなら、小学生の子どもがいても無理なく働けますね。
ただし時短制度を利用できるのは、一般的に入社1年後に該当年齢の子どもがいる場合です。
入社してすぐは時短制度を利用できないので、契約社員・パートとして入社し正社員に昇格の上で時短制度を使うことになります。
保育園時代に小学生時期を見据えて早めにドラッグストアに入社しておくと、小学生になったらすぐに時短勤務を開始できます。
人数が多くフォローがしっかりしている
ママ薬剤師はお子さんが急に熱を出したなどで、急遽休まなくてはならない場合があります。
そんなときには、人数の多い職場であれば対応してもらいやすいです。
ドラッグストアは個人の店舗は少なく、基本的に大手企業となります。
ママ薬剤師は薬剤師の配置人数が多くフォローしてもらいやすい職場に、優先的に配属してもらえます。
気を付けなければならないのは、大手ならどこでもいいというわけではありません。
一部のドラッグストアは店舗拡大を急ぐあまり、薬剤師の補充が追い付いておらず、慢性的な薬剤師不足に陥っている場合も。
1店舗当たりの薬剤師数や常勤薬剤師の割合を参考に、フォロー体制が整っているドラッグストアを選んでください。
詳しくは「大手調剤薬局・ドラッグストアチェーンの特徴」で解説してます。
ママ薬剤師の転職にオススメなドラッグストアの特徴
営業時間が長いので、ママ薬剤師の選択肢として挙がりにくいドラッグストア。
ですが時短勤務制度・フォロー体制を考えると働きやすい環境と言えます。
ドラッグストアの中でも、ママ薬剤師にオススメできるドラッグストアの特徴は以下のとおりです。
時短勤務利用者が所属している
時短勤務が利用可能な企業なのに、忙しすぎて時短勤務が難しい店舗も存在します。
さらに時短勤務者がいない中で、自分が時短勤務をするのは雰囲気的にハードルが高いもの。
配属予定の店舗に、すでに時短勤務者が所属している転職先を選ぶのが安心です。
配置人数の多い調剤併設店
OTC限定の店舗で1店舗に必要な常勤薬剤師数は、1~2人。
2人出勤予定の日にママ薬剤師が急遽休んでも、残りの1人で仕事がこなせることが大半です。
調剤併設店であれば、ヘルプ体制はさらに整います。
フルタイムの正社員は調剤部門とOTC部門を兼任していることが多く、ママ薬剤師が休んだ場合には兼任スタッフが代わりに入れることも。
特に常勤薬剤師の多いドラッグストアはヘルプ体制が整っており、ママ薬剤師にも正社員にも負担がかかりにくいですよ。
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ドラッグストアのよくある疑問
ママ薬剤師がドラッグストアで働く場合に気になるポイントを、ドラッグストア勤務の女性薬剤師さんにお聞きしました。
Q1.
ドラッグストアって立ち仕事ややレジ打ちなど、体力的にきつくないです?
A1.
立ち仕事やレジの仕事は、慣れてしまえばそれほど苦にはなりません。
薬剤師は基本的には立ち仕事なので、妊娠などしていない限りは問題ないです。
Q2.
残業が多い店舗で「時短です」と早々に帰っても、大丈夫ですか?
いくら上司や会社が認めていても、周りから顰蹙(ひんしゅく)を買わないか不安です。
A2.
残業なしは雇用条件として明記されているので、仕方ないことは周りも把握しています。
お給料も違っていますし、自分が子育てをする際にはお互い様です。
うちの店では特に顰蹙を買うようなことはありませんでしたよ。
ドラッグストアについてもっと知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
実際にドラッグストアで働くママ薬剤師の事例や、働き方について詳しく紹介していますよ。
参考記事 ママ薬剤師が育児しながら働ける職場~ドラッグストア編~
参考記事 ママ薬剤師の転職体験談 子育てとの両立を目指してドラッグストアに転職した例
小学生ママ薬剤師の転職先:調剤薬局
調剤薬局はママ薬剤師の職場として1番スタンダードですし、子育てスタッフに配慮した環境が整っている企業も多いですね。
ドラッグストアほど柔軟ではないですが、時短勤務なども利用できます。
出産前に調剤薬局で働いていた方なら、スムーズに復帰できますね。
もちろん未経験歓迎の転職先も、多いですよ。
こちらも実際に、調剤薬局で働くママ薬剤師の声をご紹介します。
大手チェーン薬局で正社員として働いているママ薬剤師
週40時間の勤務で平日は9~18時、土曜日は半日の勤務です。
シフトに穴が空くときはラウンダーが来てくれますが、必ず来てくれるわけではありません。
子供の急な発熱などで休んでしまうことはありますが、他の薬剤師も体調不良などで急に休む事はあります。
ラウンダーにヘルプをお願いしたり、みんなで協力して乗り切っているという感じです。
参観日などが平日にあるときの対応ですが、シフト作成時に分かっていれば週休を当てています。
土曜日に出勤することで週の中に休みを作れるので、その分平日の用事は問題なくこなせています。
もしシフト作成後に行事などが分かった場合は、他のスタッフに週休を代わってもらって対応しています。
30代 大阪府
中規模調剤チェーン店で契約社員として働いているママ薬剤師
平日9~17時、土日祝日休みという契約なので、家庭と両立しやすく助かっています。
学校行事と子供の突発休みを理解してくれる職場にこだわって探しました。
働きやすい環境で助かってますが、誤算だったのは「中規模チェーンだから休んだときはヘルプが来るだろう」と思っていたことです。
実際にはヘルプが来なくて少ない人数で仕事をするため、休みにくいですね。
今の参観日はほぼ土曜日なので、土曜勤務がない薬局を選びました。
家庭訪問や先生との面談は平日なので、午後の半日を休みにしています。
40代 東京都
ママ薬剤師の転職先に調剤薬局がオススメの理由
正社員でも早く帰りやすい
最近では遅くまで開局している調剤薬局もありますが、18時遅くても19時くらいには終了する調剤薬局が大半。
つまり特に早番の指定をしなくても18時には帰れますし、残業なしという調剤薬局も珍しくはありません。
18時なら学童保育を延長すればお迎えに間に合いますが、もう少し早く帰りたいなら契約社員を選んでも良いですね。
日祝は調剤薬局自体がお休みのことが多いのでちゃんと休めます。
土曜日は隔週出勤が求められることがありますが、その分平日に休みを作れるので学校の用事に出やすいです。
転職先の選択肢が多い
時短勤務制度やフォロー面ではドラッグストアの方が優れていますが、転職先が少ないことがネック。
一方調剤薬局は転職先が多いので、色々な選択肢があります。
自宅からの距離・終了時間の早さ・土曜出勤の有無など、人によって優先したい条件は違いますが、多くの求人があるため自分の希望に合ったものを見つけやすいです。
急な退職が重なったなど人手不足に困っている薬局であれば、こちらの希望に合わせて条件を変更してもらえることもありますよ。
ママ薬剤師の転職にオススメの調剤薬局の特徴
「ママ薬剤師歓迎!」という求人を見かけることも多い調剤薬局。
多くの転職先の中から本当にママ薬剤師が働きやすい職場を見極めるためには、以下に当てはまる転職先がオススメです。
総合病院前の調剤薬局
大学病院などの総合病院は外来診療終了時間が早く、それに合わせて調剤薬局も17時までということが珍しくありません。
地方によっては土曜日の午前診療があり土曜日の隔週勤務を求められるかもしれませんが、日祝休みで早い時間に退勤したいママ薬剤師にはピッタリの職場と言えます。
在宅専門薬局・透析クリニック門前薬局
こちらの2つの専門性が高い薬局は、多くが18時以前に営業が終了します。
さらに土日は専属アルバイト薬剤師や、他店からの応援人員を利用することで、土日祝固定休みという条件で求人が出ることも。
注意したいのは、在宅専門ではない薬局で在宅を扱っている薬局では残業が多くなりやすいことです。
ママ薬剤師以外の正社員が在宅を担当しますが、その薬剤師が帰ってくるまでは他の薬剤師が帰宅できず残業になりがちなんです。
気になる転職先があったら、平均残業時間を必ず確認しましょう。
正社員の割合が多い調剤薬局
パート社員や派遣社員が多いと、急に休んだ人がいるときに正社員にかかる負担が大きく休みにくい雰囲気に。
パート薬剤師の割合が多い薬局だと、シフトの融通も効かせにくいのでママ薬剤師が子どもの用事をこなしながら働くのは大変です。
1店舗当たりの常勤薬剤師の割合が高い店舗を選ぶと、ママ薬剤師の急な休みで周囲に負担がかかりにくく、シフトの融通もしてもらいやすいですね。
各大手調剤薬局にどれくらい常勤薬剤師がいるのかは、先ほどもご紹介したこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
中小調剤薬局求人は大手に比べて柔軟性が高いので、マイナビ薬剤師など交渉力が高い転職エージェントに条件交渉してもらうのも良いですよ。
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小学生ママ薬剤師の転職先:病院
病院や診療所の仕事は、ドラッグストアや調剤薬局に比べるとママ薬剤師にオススメしにくい転職先です。
その理由と、どうしても病院で働きたい場合にはどんな求人を選べば良いのかとお伝えします。
病院がママ薬剤師にオススメしにくい理由
実は総合病院であれば基本シフト8時半〜17時、月2~3回の当直(17時or18時〜翌朝9時まで)というスタイルで、両立されている女性薬剤師さんもよく見られます。
ただ残念ながら、総合病院求人は一般の求人サイトや紹介会社へ回ってきません。
新卒として入社し産休を経て復帰した薬剤師さんで、まかなえてしまうからですね。
総合病院以外の病院求人は出ては来ますが、ママ薬剤師にあえてオススメしにくい理由はこちら。
病院がママ薬剤師にオススメしにくい理由
- 労働の割に、給料が安い
- 担当の病棟などがあると、緊急のお休みの際に休むことが難しい
- 他店からの応援といった、柔軟性がない
ママ薬剤師のワークライフバランスを考えた際には、病院はかなり厳しい選択肢です。
個人が担当する業務が多い代わってもらいにくい環境ですし、ヘルプもありません。
現状では、小さいお子様がいるママ薬剤師さんは、病棟業務を外すなどの対応をしているところが多いようですが、人数的な兼ね合いもありいろいろと大変なようです。
それほどまでに大変な割に給与も低く、ママ薬剤師としては割に合わないと感じやすいです。
ママ薬剤師が病院で働くなら?
小学生ママにはオススメしにくい病院求人ですが、以前病院で働いていたので慣れた環境で働きたい方もいるかとは思います。
小さなクリニック・診療所は住宅街にあるので、自宅から近くに求人が出ているなら検討してみたいですね。
クリニックや診療所と呼ばれる病床数19床以下の施設では、夜勤が全くないことも。
まれに8時~17時など、早い時間帯での募集も見かけます。
クリニックなどはごく少ない薬剤師で運営していることが大半なので、突発休や学校の行事などにどの程度理解があるかは事前にシッカリとリサーチしておきましょう。
好条件の病院求人を狙うなら、早くから転職エージェントに相談しておくのが正解。
その上で良い転職先が出てきたら、連絡をもらえるようにしておくといいですね。
土曜に働きたくないママ薬剤師向けの転職先と働き方
ドラッグストア・調剤薬局・病院のいずれを選んでも、かなり根気よく探せば正社員で土日祝日を完全に休みにすることは不可能ではありません。
ただ土日祝に休みを取れる転職先が多いわけではないので、エリアや勤務時間の条件によってはなかなか見つからないことも。
土曜に勤務すると平日に休みが取れるというメリットはありますが、家族に休みを合わせたいので土曜休みを希望するママ薬剤師も多いですね。
「なかなか土曜休みの仕事が見つからないけど妥協したくない…。」
そんな方に3つの解決方法をお伝えします。
企業の薬剤師として働く
企業は完全土日祝休みで、17時か18時に退社が可能です。
盆正月も会社が休みのため、気兼ねなく休むことができます。
東京や大阪などの大都市では、ある程度求人があるため狭き門ではありません。
参考体験談 ママ薬剤師の転職体験談 子育てとの両立を目指して企業のDI職を選択した例
こちらの体験談のママ薬剤師さんも、9時~17時勤務の契約社員として、完全土日休みで働いておられます。
ママ薬剤師さんも多いため働きやすい環境です。
大都市在住のママ薬剤師さんには非常にオススメできる働き方ですよ。
でも「企業は未経験なので不安。」というママ薬剤師さんも多いですね。
そこで実際に病院薬剤師から企業のDI職に転職されたママ薬剤師Mさんに、未経験者が企業で働くためのアドバイスをお聞きしてみました。
Q1.
企業未経験の方でも、問題なく働けますか?
面接が受かるか心配という方も多いです。
A1.
今の職場は企業での勤務経験のなかった方がほとんどで、それまでは調剤薬局や病院勤務だった方が多数です。
薬学的知識や、調剤薬局や病院勤務で患者さんを相手にコミュニケーションを取っていたことが活かせるので、皆さん問題なく働けてますよ。
面接では、患者さんの相談にのってあげて感謝された事例や、医師からの問い合わせにどう対応したかなどの事例を織り交ぜられたらよいのではないかと思います。
デスクワークなので立ち仕事より体力的に楽で、家事や子育てに疲れるママ薬剤師におすすめできる仕事です。
Q2.
未経験・正社員の場合ですと、年収でいくらくらいになるのでしょうか?
どのような経験があるとプラスに働くのか、もしご存じでしたら、そのあたりも知りたいです。
A2.
9-18時の正社員だと年齢にもよると思いますが、350〜400万円スタートぐらいだと思います。
調剤薬局からすると低く感じられると思います。
コールセンターで医療従事者や患者さんからの問い合わせになるので、コミュニケーション能力が高いと良いですね。
実際にお薬相談窓口に掛けたことがあったりすると、どういった対応をするのか実際に分かると思います。
Q3.
「家事育児をしながら新しいことにチャレンジする」ことに対して、アドバイスいただけないでしょうか。
A3.
新しいことにチャレンジするのは不安がつきものだと思います。
初めの半年は有給がとれない(無給では取れますが欠勤扱いになります)状況でご主人にどれだけ頼れるかや、仕事のことも気軽にご主人や友人に聞いてもらえることで、心の負担は軽減できるのではないでしょうか。
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派遣薬剤師として働く
派遣はパートと同じように時給制の契約ですが、パートと比べて時給がずっと高いのが特徴です。
派遣の場合、就業曜日・時間・残業の可能性、対応可or可について契約時に細かく決めます。
万が一契約と実際の仕事内容が異なる場合は派遣会社が間に入りますので、就業時間や残業の点で、トラブルになることはありません。
参考記事 ママ薬剤師に派遣はとってもオススメ!産後6ヵ月から派遣で働いた筆者が解説します
ただし2021年現在新型コロナウイルスの影響によって派遣求人が激減しており、新しく派遣求人を探すのは難しい状況です。
転職サイトに登録して良い転職先が見つかるまで待つ
「〇月までにどうしても転職したい!」というわけではないなら、良い条件の転職先が出るまで待つという方法もあります。
自分で求人サイトや企業の求人をチェックし続けるのは限界がありますが、転職サイトに登録しておけば条件の合う転職先が出た時点で連絡をもらえます。
まずは家庭にて「どんな条件の職場なら問題なく働けるか」を話し合い、希望の条件を転職エージェントに伝えておきましょう。
転職エージェントにもいろいろな人がいますので、2~3社登録して信頼できる人を見つけておくと良いですね。
「話をよく聞いてくれて連絡がマメ」さらに「条件に合わない求人を無理に紹介しない」エージェントが信頼できるエージェントですよ。
ママ薬剤師が小1の壁を越えられる転職先の探し方|まとめ
保育園時代には上手く働けていても、小学生になると子どもの帰宅時間が早まったり時短制度が使えなくなったりと、いわゆる小1の壁問題で正社員を続けられないと考えてしまう方も。
でもママたちが思っている以上に、経験豊富なママ薬剤師を必要としている転職先は多いんですよ!
確かに小1の壁問題は働くママたちの1つの悩み。
でもベテランの女性薬剤師・職場の先輩女性薬剤師なども超えてきた道です。
家族や学童保育など育児サポートだけではなく、そういった先輩ママ薬剤師も力になってくれますよ。
「子どもが小学生だから…」
「急に休むと迷惑だから…」
なんて一人で悩まず、一度転職エージェントに相談してみましょう。
職場・企業そして転職エージェントが、やる気あるママ薬剤師からの連絡を待っています!
ママ薬剤師にオススメの転職サイト
どのサイトも良い点悪い点はありますが、一番は担当者が信頼できること。
薬剤師の求人サイトや派遣会社はいくつ登録しても薬剤師側に金銭的な負担などはありませんので、いくつか登録して自分が一番良いと感じるエージェントにお願いしましょう!
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「求職者のニーズにベストマッチする求人を見つけること」を重視しているため、転職者の満足度が高い転職サイトです。
親会社が大手人材関連企業なので、大手企業との繋がりが太く掲載求人数も多いですが、20~40店舗の中堅チェーンや個人薬局にもシッカリ営業しているので、幅広いジャンルの求人があります。
ドラッグストアの求人数も業界最多です。
求職者からヒアリングした希望と、企業から収集した情報の2つを活かし、求職者・求人先の希望をしっかりマッチさせることから、実際に求職者に人気がある転職サイトですよ。
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薬剤師転職ドットコムは女性の転職エージェントが多く、気さくで話しやすい方が多い印象。
エージェントにもワーキングママが少なくないので、ママ薬剤師の気持ちや大変さを理解した上で、求人を探してくれます。
パートや派遣求人も多く取り扱っているので、いろいろな働き方に柔軟に対応してもらえます。
ワーママやワークライフバランス重視の薬剤師が気軽に相談をしやすいサイトですが、正社員紹介となると、他の大手サイトに比べると少し立場が弱いと感じます。
そのため、2番目のオススメとさせていただきました。
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薬キャリは、親会社であるエムスリーが医療系の人材紹介会社としてかなり有名で、企業から求人掲載の依頼がかかりやすいです。
企業への転職を考えているママ薬剤師さんは、登録必須といえますよ。
求職者・求人先どちらともメール・電話でのやり取りが中心となり、効率を追求しているため求人数が業界一です。
面談に時間をかけないので相談しながら転職したい方には不向きですが、転職に手軽さを求める方には向いています。
実際に転職目的が明確で、行動力のある薬剤師には「スピーディーに転職ができる」と評判ですよ。
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三上小夜香
大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。