2020年は調剤報酬改定に新型コロナウイルス流行と、薬剤師を取り巻く環境が大きく変わった年でした。
特に新型コロナウイルスの流行は、薬局のあり方や働き方をも変えてしまいましたね。
コロナ禍での薬局事情については、ウィズコロナの薬局事情。コロナ禍で職場環境はどう変わったか【薬剤師118人にアンケート】でも伺いました。
高齢化の波も留まることはなく、薬局の高齢者医療に対する態勢も問われて行きそうです。
そんな日本の医療の中、コンビニよりも多いと言われる薬局が生き残るにはどうすれば良いでしょうか。
今回は薬剤師106名に、薬局の生き残りや将来性についてアンケートを行いました。
コロナ禍により受診控えもある中、選ばれる薬局・薬剤師を目指すための参考にしてくださいね!
三上小夜香
大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。
対象者:薬剤師の男女106人
調査方法:クラウドワークス及びTwitterによるインターネット調査 1 2
調査期間:2020年11月16日~11月25日
アンケートの回答全文はこちら
好きなところから読む(クリック可)
1.今後、薬局が生き残るのに必要な条件は何だと思いますか?(複数回答可)
まずは薬局が生き残っていくために大切だと思うことを、以下の選択肢から選んでもらいました。
- 面対応
- 在宅対応
- オンライン服薬指導
- かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師対応
- 企業(薬局)の規模
- OTC&サプリメント等物販
- 利便性(24時間営業や立地)
- 利益率が高いこと(加算・無駄を省いた経営)
- その他
選択した理由を含め、得票数が多いものから順に紹介して行きます。
※ご紹介する回答は、読みやすいように一部修正しています。
同率1位 オンライン服薬指導/在宅対応 74.5%
オンライン服薬指導と在宅対応は、どちらも必要と回答される方が多く見られました。
必要な理由も2つ併せて回答いただいたので、一緒に掲載します。
新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなり、オンライン診療や電話診療を求める患者さんがとても増えたと思う。それに伴い、患者さんの家に近いことやオンラインや電話での服薬指導が求められていると感じる。
高齢化が進むので在宅は必須だが、情報社会において薬をもらう作業に時間を取られるのは意味のない時間だから。いかに生活の中で病院と薬局にかかる時間、存在感を無くすかがか鍵。
高齢化社会がどんどん進んでいくため在宅は欠かせないと思います。若い方は忙しい人が多いのでオンライン服薬指導が便利で好まれると考えました。
薬局で待っていれば患者が来る時代ではなくなったのは確か。こちらから出向いていく時代に変わったと感じるため。在宅医療がその一つだと思う。オンライン服薬指導も患者が薬局に来るわけでなく、ある意味薬局が患者宅(インターネットを介して)出向いている形だと考える。
これからの時代、病院もどんどんオンライン診療を取り入れて行くと考えられるため、それに伴いオンライン服薬指導は必ず必要になってくると思うため。
在宅医療のほうが、薬局の処方箋調剤よりも加算点数が高く、利益を上げやすいため。オンライン医療は、感染症予防の観点から必要性が高まると感じています。
利便性という点で、24時間営業よりも、自分の都合の良い時間に薬がもらえるオンラインは今後の主流になってくるかと思います。
服薬指導さえ済んでしまえば受け取りは自由、深夜でも薬局前に宅配ボックスを設置して受け取りができれば薬局が開局している必要はないと思います。
新型コロナウイルス流行をきっかけに、薬局内で薬をもらうという固定観念が崩れました。在宅対応は高齢化社会において求められるものであり、薬局にとっても利益率が高く欠かせない業務となるでしょう。
一方若い世代には、オンライン指導が求められると予想されますね。私も小さい子供がいるので、オンラインを使い待ち時間なしで薬を受け取れたら便利だと感じます。
3位 面対応 44.3%
門前のクリニックの処方箋をさばくだけの薬局は今後、不要になると思う。
かかりつけ薬局として存在するために、面対応は最低限しないといけないと思う。
実際に自分が在宅非対応・処方箋集中率95%超の小規模薬局に務めているが、経済面・業務面ともに隣のクリニックありきの状況であり、患者さまにとっては使い勝手が悪そうである。
複数の処方箋を持参する患者様も、「在庫がないなら、こっちの処方箋はよそにだすからよい」と言って隣のクリニックの処方箋以外は持ち帰っている状況がある。
門前病院の処方箋に頼るビジネススタイルは終わりを迎えていると思います。 待ち時間を減らし、何か困った時に気軽に相談ができる薬局が生き残ると考えています。
接客業の一種だと考えております。昔は病院の前にあるからという理由で顧客が集まっていたが、区別化が大事になる時代。接客を気に入ってくれるかで、伸びが期待できる。
新規開業する医師の門前も含め、面応需は必要だと思います。面対応して集中率を下げないと調剤基本料が下げられるためです。
面対応は確かに患者さん・利益の確保に重要です。ただコロナ禍においては面対応の薬局でも内科と小児科分の落ち込みはかなりひどかったようです。面対応なら生き残っていけるとは、言い切れない状況ですね。
4位 利便性(24時間営業や立地)36.8%
かかりつけ機能や地域連携、在宅、健康サポート等全てに取り組んでいるが、結局立地が一番集客率に関わっているので。
国の財政が良くないので、今後薬局の報酬は減らす方向にいくだろう。そのため、薬局はいかに患者に選んでもらえるかが鍵になる。患者は近さを重視するため、病院の敷地内へ薬局をつくることが大切になると思われる。
薬局が患者さんに選ばれるためには、夜間にも対応ができることだったり、会社帰りの人が病院に寄って帰ることができる駅チカなどの立地のよさが求められるためです。
高齢化が進み、また若い世代は共働きで忙しくなっているので、利便性のいい薬局が求められていくのではないかと思いました。
利便性が高くなければ、患者さんに選ばれる薬局にはなれません。特に定期薬は、門前ではなく便利な薬局でもらう患者さんが増えてきています。
5位 利益率が高いこと(加算・無駄を省いた経営) 34.0%
無駄を省きつつ、国の助成を上手く利用することが大事だと思います。
報酬改定は今までが緩かったので今は適正になってきたといっても良いのが現状。ガバガバだった今までの運用を、どれだけ普通の会社のように適正に運用できるか、無駄が省けるが大事だと思う。
調剤報酬の要件が追加されていく中で、効率化は必須。新しいことを始めるには、既存の仕事をどう処理していくかを考えなければならない。
調剤報酬は改定を重ねるごとに下がっていくはず。その中で残るのは対人業務に対する加算。対人業務で稼ぐためには効率化は不可欠。
6位 OTC&サプリメント等物販 31.1%
セルフメディケーションの注目、コロナでの受診控えもあるので薬局で手軽に買える医薬品を置いておく必要があると思うため。
併設店が増えている。薬価改定などもあり、今後は薬局だけでは利益が出せなくなってくると思う。かかりつけ薬局として薬を説明することと、セルフメディケーションを促進させるためにOTCや健康食品なども合わせて説明できる薬剤師が求められると思う。
処方箋調剤のみでなく、予防医療にもより力を入れるべきだと思う。立地の良い場所でOTCやサプリメントなどの物販を行い、若年層など病気でない人にとっても身近な存在になる必要があると感じる。
セルフメディケーションを担える薬剤師は調剤専門の薬局では育たない。OTCを置くことでセルフメディケーションに強い薬剤師を育成でき、かつ医療費の削減にも貢献できる。在宅やオンラインは高齢社会やコロナ禍の現代社会においてニーズが高いだろう。
7位 企業(薬局)の規模 18.9%
規模が大きい会社に合併される事が近年多いから。地域の薬局に就職しても、いづれ会社が変わってしまう可能性が高く油断できない。
24時間対応、在宅対応、電話フォローを継続的にしていくためにはある程度の規模、人数が必要と思うため。
規模が大きければ資金力があり、不況下でも人材確保・育成や設備投資ができると考えます。医療費の削減からセルフメディケーションへの移行が進んだ場合に対応できるのは、OTCやサプリメントを大量に仕入れて販売できる大きな規模の薬局に限られます。
大手の進出に敵わないから。個人薬局では今後、在宅やオンライン服薬指導などを進めていかなければならないが、その準備や基盤もなく今は立地と利便性のみで成り立っている。
生き残りを考え利益を追及するなら、調剤報酬以外の利益を考えていく必要があります。健康意識の高まりから、OTCやサプリメントは今後需要が見込める分野です。
多角的な経営を考えるなら、大手が有利と考える方が多かったですね。
8位 その他 17.0%
残薬の確認など医療費の減額に協力すること。薬剤師の価値が低い今だからこそ、医療費の削減に携わることで見直される気がするから。高齢者の残薬はとても多く、本人は捨てられないため誤飲にも繋がってしまう。東京都薬剤師会は、残薬バックの配布を行い残薬指導を促し始めた。
言語のバリアフリー化(主に英語対応)。高度にネット社会化が進み、クラウド上でのお薬手帳やカルテ共有などの時代が予想されること。グローバル化も進む中で、日本の労働力の空洞化問題を海外からの移住者が支えていることなど、複雑に有機的に素因が絡み合って市場が形成されると思われる。
薬学部に入学する際の試験の難易度を上げること。6年制薬学部の学生でも、もちろん優れた学生はいますが、薬学実務実習生の受け入れや新入社員の指導担当をしていると、全体的な学力低下・人間力の低下が目立つため。
経営者のデジタル化への対応の意識向上、人事育成など。門前の調剤薬局は規模が小さく、今後のオンライン服薬指導などのデジタル化への対応ができる職員がいるとは思えず、このままでは泥縄式でしか対応できない気がします。
薬剤師個人の人格、魅力。高齢者同士のコミュニティもあり、薬局を選ぶ傾向を感じることがあります。健康相談をできる薬剤師が選ばれるのではないかと思っています。
個室を完備した薬局。患者の不満として「他の患者に自分の薬の話を聞かれるのがイヤ」とよく耳にするので、診察室のような個室を完備した薬局のニーズはあるかと。
「このままではダメ」「変わらなければ」という、薬剤師全体の強い意思を感じました。
薬剤師は医療に欠かせない存在だからこそ、より求められる形で生き残っていく必要がありますね。
2.今後さらに大手調剤チェーンの寡占が進む(業界内でのシェアが高まる)と思いますか?またその理由を回答ください。
調剤薬局は低寡占市場であり、全体の約7割が小規模~個人薬局です。
しかしM&Aや個人薬局の閉局など、大手調剤チェーンの力を強く感じている方も多いでしょう。
そこで今後、大手調剤チェーンの寡占が進むと思うかを伺いました。
結果がこちらです。
それぞれの回答理由は、以下です。
大手の寡占が進むと思う理由
資金力・規模・ブランド力が高いから 62.9%
経済力の差が一番大きいと思う。薬学部卒しかいない小規模薬局は経済や経営を学んでいないことが多いと考えるため、経済重視の世の中ではなかなか歯が立たない。
薬局に限らずパーテーションやアルコール消毒液の設置など感染対策の徹底が求められる昨今だが、小規模薬局では予算的にも柔軟な対応が難しいのではないかと感じるから。逆に小規模薬局が盛り返す理由が思い当たらなかった。
処方箋の多様性が広がるにつれ、薬の取扱量の多い大手は有利だと思います。
また、人手が多いので在宅と外来と人の振り分けがしやすいのも有利だと思います。
前は小規模薬局の方が融通が利くイメージがありましたが、高齢者が増えるにつれて融通ばかりが優先していては残っていけないような気がします。
資本に余裕がないと必要な投資を思い切って行いにくく、結果、顧客が求めるニーズに応えきれない。
また、地域薬剤師会による結びつきが非常に薄く、情報共有において役に立っていない。
その点、大手チェーン店であれば組織としての結びつきも当然比較的強く、情報共有もしやすい。結果、情報量においても個人薬局に比べて充実し、高いレベルで業務が行える。
ブランド力は日本人特に高齢の方には影響力が大きいと思ったため。
未だに先発品にこだわる患者さんや、CMをしている著名なメーカーのジェネリックなら変えてもいいと限定する患者さんは一定数いるので、大手は強いと思う。
今後オンライン化を進めるにしても、大手には資金力があるためチャレンジしやすい環境です。経済の落ち込みや受診控えがあっても、不況を乗り越える体力もあります。資金的に力が強い、大手の寡占が進むと回答された方が多く見られました。
在庫・デッドストックのリスクが低いから 15.7%
支店が多い薬局ならば、デッドストックを柔軟に回せるから。
小規模の個人薬局では、無駄な在庫を抱えたくないために取り寄せを最大限避けようとしている(処方箋応需を暗に渋るときもみられる)。
地域の薬剤師会や近隣薬局などから必要最低限の数だけ購入できないか打診するなど、調剤までのプロセスにかなり手間取っており、患者様の利便性を低下させている。
個人経営の薬局や規模の小さい薬局は、在庫のロスも出やすく、医療機関とマンツーマンでやっているところも多いため、処方元がどうにかなったら立ち行かなくなると思うので。
薬局の店舗数が少ないと、不動在庫は廃棄せざる負えないし、医薬品購入価格も割引などがなく、利益を確保しづらい状況にあるため。
M&Aが加速しているから 13.5%
数店舗経営の中小薬局が、改定による打撃を受けやすく、高値で大手に売れるから。
医薬分業率がほぼ上限の状態で、収益面から新規出店することが難しい時代なので、大手はM&Aを主軸に開発していくと思われるから。
これから薬局が増え続けると統合が始まるように思います。コンビニや製薬会社、銀行などはある程度の規模になると合併が始まるので薬局もその流れになると考えます。
中小では悩みの種となるデッドストック。個人薬局だと、面の処方せんを受けにくいのが実情です。在庫が経営を圧迫する一因となり、M&Aを選ぶ中小薬局もあります。
人材を確保しやすいから 12.4%
大手チェーンは福利厚生が充実しており、人材確保を重要視している印象があり、給与面でも安定しているように感じます。
また人材確保に力を入れているので、店舗人数を充実させることができ、休みが取りやすい働きやすいなどの従業員側のメリットを感じることもできるのではないかと思います。
十分な在宅対応、24時間対応を行うためには、薬剤師の人数を多く確保する必要があるため。また、オンライン服薬指導を行うためには設備投資が必要であり、資金力が必要となるため。
個人薬局では算定しにくい要件が増えているから 4.5%
現在の診療報酬改定の傾向を考えると、個人経営店舗では加算を取っていくにあたり、ハードルが高いものが多いため。
大手調剤チェーンによるM&Aが進んでいるように感じる。また、健康サポート薬局の認定や地域支援体制加算の算定において、一人薬剤師の薬局では対応が難しい内容が増えており、一人薬剤師の薬局が減り、大手調剤チェーン薬局へ処方箋が流れると考えられる。
最近の新卒薬剤師は安定の大手に魅力を感じる人が多く、人材確保には余裕が出ています。在宅を進めるにしても、人材は必要不可欠ですね。逆に中小は人材確保に苦労しがち。算定においても個人薬局は取りにくい状況であり、こちらも経営を圧迫する原因に。
その他 3.4%
処方箋調剤一辺倒の中小はそもそも必要ない、大手は新業態など先を見据えた経営をしているので買収が進むと思う。
厚生労働省の政策で立ち入り検査を多数行うのが面倒なので、チェーン薬局一本化にすることで、検査の手間を省きたいと聞いたことがあります。
大手の寡占は進まないと思う理由
地域差もあると思います。高齢者の多い地方は全国チェーンで転勤のある若手薬剤師より、地域に根差した薬剤師の方が頼りになる。昔ながらの面薬局に強みがあると思います。
調剤報酬点数が下がることで以前より(大手の)力や魅力が減ったように感じます。地元に根付いた薬局が信頼も厚く、これからはより求められると感じています。
大手調剤チェーンは、対応の仕方がマニュアル化されており、地域医療にはそぐわないと思います。
特に都市部の方と過疎地域の方では薬局へ求めるニーズが違います。
規模の小さい企業の方が現場の意見は通りやすいと考え、先述の回答になりました。
医療プラットフォーム企業の台頭が凄まじいから。大手や中小の差が外部企業によって埋まっていく。そのチャンスを中小や個人が掴めれば大手調剤チェーンの寡占に歯止めがかかるはず。
その土地の事情に精通した個人経営の薬局もある程度は残っていくものと思います。調剤薬局は価格競争にはならないことも大きい。
前は大手チェーンで働いておりましたが、今の中小企業に13年勤めて感じることは生き残るためにはいかに地域に求められる薬局になるかです。
時代も違うので比較は出来ませんが、今の店舗の方が患者さん一人一人の顔が見える求められる薬局という印象があります。
大手の方が店舗は多く利用がしやすい立地に多くある分患者さんも多そうですが、コロナ禍により門前薬局の減収の話も聞くのでそれだけではない時代が来る様に感じます。
オンラインや在宅が進むと思うので、患者さんにはもちろん、病院やあんすこ(※)に信頼される地域に密着した薬局が生き残れると思います。
※あんしんすこやかセンター(高齢者の介護相談窓口)
地域に根ざした対応ができる中小にも力があるので、これ以上の寡占化は進まないという意見も見られました。大手もきめ細かいサービスに力を入れ始めているので、中小薬局は今以上に大手との差別化を図りたいですね。
3.今後、調剤薬局とドラッグストアのどちらに将来性があると感じますか?またその理由を回答ください。
生き残りを懸けて、多様性が求められる薬局。
独自のスタイルを作りやすい調剤薬局と、物品販売に強いドラッグストア。
どちらに将来性を感じるか伺いました。
結果は以下です。
※調剤併設のドラッグストアは、ドラッグストアとして分類しております。
選択の理由を、いくつかご紹介します。
調剤薬局に将来性がある
日本に限って言えば、保険医療は国民性と親和性が高く、今後もこの傾向は続いていくと思われる。製薬業界もOTCより医療用医薬品の方が市場が大きく、セルフメディケーション税制などもあまり機能していない。医師しか診断名を下せない現行では医師不在の医療経済は民間療法以外には成熟することはなさそう。
ドラッグストアが最初は将来性があると感じましたが、オンライン服薬指導が広まるとまだまだ変われるのではないかと考え、こちらを選びました。
次世代薬局「薬局3.0」が提唱されており、今後、調剤薬局はさらに薬剤師の業務拡大が求められるため、将来性ありと思われる。もし薬局3.0化がスムーズに進むのならば、ドラッグストアでOTCを扱う薬剤師は減ってゆくのでは。
ドラッグストアは非薬剤師の業務を拡充させて薬剤師数を減らす方向になってゆくのでは、と考えている。
初めはドラッグストアにチェックを入れたくなったが、オンラインを介してなんでも購入できる時代では、わざわざ店舗を持つドラッグストアの方がマイナス収支になる可能性もあると考えた。
高齢者に対しては、調剤薬局などの需要は今後も高いように思います。ある程度専門性も求められていくと思います。
高い薬剤も院外処方箋で出していく時代になっていくと思うので、調剤薬局のほうが利益は高いと思います。ただ降圧剤など、生活習慣病の薬が処方箋無しに購入できるようになったら、話は変わってくると思いますが…。
在宅の技術が求められていくと思うので、既にノウハウのわかっている調剤薬局の方が将来性があるのでは。調剤薬局は箱出し調剤になり、対人業務に割ける時間ができ、力を入れるようになると思う。
高齢者は門前薬局を選びがちですし、相談するなら調剤薬局という方も多いでしょう。在宅やオンラインなど、患者さんに求められる対応を広げていくことが重要ですね。
ドラッグストアに将来性がある
調剤併設のドラッグストアが一番将来性を感じます。
ドラッグストアの商品は、スーパーなどに負けていない安価な価格設定となっており、買い物に来られるお客さんも多いです。
薬の待ち時間にドラッグストアの中で時間を潰すのは有意義であると思われます。
有意義である中で売り上げが増えるかもしれないので、良い経営法だなと思っています。
調剤併設型ドラッグストアに勤務しているが、自己研鑽や学習面のサポート、福利厚生、給与、働きやすさなどの面から優秀な新卒や若手薬剤師は大手の調剤併設型ドラッグストアに集まっているように思います。
診療報酬改定の影響を受けずに、安定した経営を行えると思います。
医療費圧迫の問題が大きくなるにつれてセルフメディケーションが重要視され、セルフメディケーション税制も導入されているので、今後ドラッグストアの将来性は明るいのではないかと考えています。
自分が働いてるのは調剤薬局だが、ドラッグストアは将来性に溢れていると思う。
気軽に行けるのはドラッグストア。そこが何でも相談できる場所だったら、最高。
毎年調剤薬局は診療報酬改定で点数を下げられていってます。
薬局だけの売上では厳しい反面、ドラッグストアは医薬品以外の売上があるので、将来性を感じる。
コロナ禍で、日用品を取り扱う業界と医療業界の需要はどんな時代も廃れないのではないかと感じた。
よって、その両者の機能を兼ね備えているドラッグストアは、時代の変化にとても強いのではないかと思うようになったから。
一方で調剤薬局は、通院を控える患者の影響で厳しい経営を強いられている。
主婦層をターゲットとした場合、ポイントがつくことも鑑みてドラッグストアの人気が高くなっています。
調剤薬局を併設することで待ち時間を潰しやすく、在宅管理でも薬だけではなく、日用品の配達を一手に引き受けられるのは需要が多いと思います。
高齢社会で介護施設に入れず、自宅で介護する人を増加することを考えると、主婦層に便利な薬局は愛されると思います。
介護用品、対応人員やバイタリティが違うから。陳列できる商品数も桁違いであるし、大手が実施しているプライベートブランドなどに、個人薬局は対応出来ない。
医薬品適正使用(特にポリファーマシー)の観点からすると調剤薬局のような治療を重視する経営路線よりも、予防医療や医療保険を使用しないようなOTC、サプリメントを多種揃えている経営路線の方が医療経済面からも将来性があると思われる。
私にも持病がある家族がおりますが、正直調剤にポイントがつくドラッグストアはありがたいです。待ち時間に買い物もできますし、利便性の高さを感じています。門前薬局に劣らない服薬指導が今後のカギとなりそうです。
4.こんな形態の薬局があったらいいなというアイディアを教えてください。
最後に、新しい形の薬局について意見を伺いました。
実現可能そうなものから、夢のある薬局まで、様々なアイディアが見られましたよ。
似たアイディアごとに紹介しますね。
※自由回答形式のため、回答されていない方もいます。
カフェ・レストラン併設薬局 26人
コーヒーを飲みながら薬の説明を聞くことのできる居心地の良いカフェ型薬局。
カフェ併設型薬局や飲食店併設型薬局。健康志向な飲食を提供し、疾患ごとに分けたような料理の提供など、他ではない形をとる。ただ、個人の疾患などが明らかになってしまうため抵抗のある方もいる為工夫が必要。
カフェ併設薬局。薬剤師がカフェも営業してたら患者さんも気軽に入って相談もできると思います。
リラックスして過ごせるカフェやレストランなら、患者さんも相談しやすいですね。
広島市にあるオール薬局はタニタカフェとのコラボで、カフェ薬局に近い形を実現しています。
オンライン・ウーバー(宅配)薬局 14人
ウーバー薬局。処方箋画像を送り、家に来てもらう。店舗型でもやっているが、会社に来てもらうなど、もっと気軽に頼めそう。
テレフォンボックス型自販機(オンラインで薬剤師がいる形)
アマゾンのような薬局。 処方箋を写真等で送ると調剤して、配達。オンラインで服薬指導。
オンラインや宅配薬局は、実現が見えるスタイルですね。
感染予防の観点でも、歓迎されるでしょう。
ドライブスルー薬局 7人
近くの小児科の門前薬局はドライブスルー薬局です。感染対策にはいいと思います。
ドライブスルー式のような車で待っていられるシステム。
24時間対応薬局 3人
コンビニ併設型で、24時間営業の調剤併設のドラッグストアがあると、利用したいなと思います。
その他 39人
カスタムオーダーメードの製剤化ができる薬局。ドラッグ、調剤のシームレス化やビッグデータにリンクしたAIソフトなどを活用したスタイルの薬局。
AIが症状別に薬を選ぶネット薬局。
24時間無人薬局があればいいのにという話を聞いたことがあります。聞いた時は、薬剤師としては切ない話だと思いましたが、感染のリスクも無いし安全でいいかもしれないと考え直しました。
薬を持ち帰った後で、オンラインで服薬指導ができれば在宅に近い形でより患者さんに合った話もできるのではないかと思います。機械等の初期投資がすごいことになりそうですが。
サプリメント・健康食品に特化したセルフメディケーション推進型薬局。
託児つきの薬局。子供が小さいと病院に行きたくても行けず、薬をもらう待ち時間もぐずってしまうので、服薬指導をまともに受けることができないため。
個人的には託児付きの薬局が魅力的ですね!子供が小さいうちは、病院に行けずガマンしたことも…。それぞれの薬局が他にはないスタイルを模索する中で、魅力的な薬局がたくさん生まれると良いですね。
まとめ
ひと昔前までは、門前薬局で待っていれば患者さんが来るのが普通でした。
もちろん今も、そのスタイルの薬局が大半。
しかし調剤報酬改定や感染症予防による受診控えがあり、薬局も変わらなければならない状況です。
特に新型コロナウイルス流行は、多くの薬局に大きなダメージを与えました。
今後は薬剤師個人が薬局の生き残りを意識して、工夫をしていくことが大切と言えますね。
今回のアンケートを元に、患者さんから選ばれる薬局の姿を想像してみましょう。
アンケートの回答全文はこちら